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岡山県北部を舞台に国際芸術祭「『森の芸術祭 晴れの国・岡山』2027」が開催される。会期は2027年9月18日〜11月23日。
第2回目となる本芸術祭は「プロトピア―前に進む森―」をコンセプトに、アーティストや多様な分野の専門家と協働しながら展開される。テーマのひとつに「食」を据え、岡山県北部ならではの豊かな地域資源の魅力発信にも力を入れる。前回に引き続きアートディレクターはキュレーター・美術史家の長谷川祐子が務める。

コンセプト「プロトピア―前に進む森―」の背景には、ほんの少しでもより良い明日に向かってゆっくりと変化し続ける森の姿と、ケヴィン・ケリーが提唱した「プロトピア」という思想がある。理想郷(ユートピア)でも悲観的な未来(ディストピア)でもなく、日々の小さな改善の積み重ねによって現実のなかでより良い社会を育てていこうとする視点だ。本芸術祭では、このプロトピアの思想と社会的共通資本の考え方を重ね合わせ、テクノロジー、農業、福祉、教育など様々な分野の人々が出会い協働する場を展開し、次世代へとつないでいく。
第1弾アーティストとして発表されたのは、レアンドロ・エルリッヒ、蜷川実花 with EiM、森山未來、リクリット・ティラヴァニ、ジュリアナ・ドス・サントス、イザベル・シカット(TOQA)、Sputniko!、ルイス・ゼルビーニの8組。前回に引き続き参加するエルリッヒ、蜷川実花 with EiM、森山、ティラヴァニは「プロトピア」のコンセプトのもと、新たな作品を展開する。サントス、シカットは日本初展示となる。


本芸術祭では、7市町(津山市、高梁市、新見市、真庭市、鏡野町、勝央町、奈義町)を舞台にアート作品を展示。今回の発表では、作州民芸館、城西浪漫館、津山まなびの鉄道館、新見美術館、井倉洞、満奇洞、GREENable HIRUZEN、みずの郷奥津湖、奈義町現代美術館の9会場が明らかになった。新たな会場として、小高い丘の上に位置し新見市街を一望できる新見美術館と、苫田ダムにより形成された広大なみずの郷奥津湖も加わり、豊かな自然に囲まれた静謐な環境でのアート鑑賞が楽しめる。

本展は、多様な専門的視点をもつアドバイザーたちと地域の資源や文化を見つめ直しながら、自然やインフラ、制度といった社会的共通資本について次の世代へとつなぐ試みでもある。サイエンティフィックアドバイザーに哲学者・フランス国立社会科学高等研究院准教授のエマヌエーレ・コッチャ、アート地域共創アドバイザーに慶應義塾大学医学部教授の宮田裕章、地域文化アドバイザーに岸本和明(奈義町現代美術館館長)と太田三郎(現代美術作家)が選ばれた。
アートを通して地域に眠る資源や文化をあらためて見つめ直す芸術祭に注目したい。