民藝運動ゆかりの京都・アサヒグループ大山崎山荘美術館で、新たな魅力を発見。祈りの画家、ジョルジョ・ルオーへの共感が深まる展覧会

京都のアサヒグループ大山崎山荘美術館で、「開館30周年記念 ジョルジュ・ルオー ―いつくしむまなざし、祈りの筆あと」が12月6日まで開催中。同館が所蔵する全4点とパナソニック汐留美術館所蔵の約35点のルオー作品が集結する本展をレポート。同時開催の「没後100年 クロード・モネ展」も(撮影:内藤貞保 [*]は除く)

会場風景より、左はジョルジュ・ルオー《貴族的なピエロ》(1941-42、アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵) © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo 2026 C5684

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日本の洋画に与えた強い影響、戦後の日本人を勇気づけた祈りの絵画

京都のアサヒグループ大山崎山荘美術館で、「ジョルジョ・ルオー いつくしむまなざし、祈りの筆あと」が開催中だ。同館では初となるルオーの本格的な個展となる。アサヒグループ大山崎山荘美術館の本館は、天王山の南麓、約5500坪の庭園のなかに建つ英国風山荘で、国の有形文化財に登録されている。大正時代から昭和にかけて建てられた瀟洒な建物は、欧州遊学を経た実業家・加賀正太郎が自ら設計したもの。同じ時代にヨーロッパから紹介されたルオーの作品を熱狂的に受容した日本人の気持ちに想いを馳せることができる、ルオー鑑賞には理想的な環境だ。

実業家・加賀正太郎が別荘として自ら設計した英国風の山荘。1996年「アサヒビール大山崎山荘美術館」として開館

ジョルジョ・ルオー(1871〜1958)が日本に紹介されたのは1920年代。パリに留学していた梅原龍三郎が作品を持ち帰ったことに始まる。ルオーの作品は、梅原龍三郎、松本竣介、三岸好太郎など、日本の洋画家に強い影響を与えた。そして、ルオーもまた日本の美術に関心を寄せ、浮世絵を模写していたこともある。ルオーと日本とは、早くからお互いに美を通じて交流していたのだ。そして1953年に東京国立博物館で開催された大回顧展で、日本でのルオーの人気は決定的なものとなった。パナソニック汐留美術館には世界で唯一の「ルオー・ギャラリー」があり、いまなおその人気は不動だ。濃密なマチエールに、重厚な色彩、「人間の悲哀、救済、祈り」という普遍的なテーマは、見る人の心をつかみ続ける。

ルオー展の展示室は2ヶ所。安藤忠雄設計の「夢の箱」(山手館)と、山荘時代には食堂だったという展示室1
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