公開日:2025年9月5日

現代美術が問いかける“見えない存在”とは?「ゴースト 見えないものが見えるとき」がアーツ前橋で開催

前橋アーツで9月20日より「ゴースト」を視点にした展示がスタート

展覧会メインヴィジュアル

現代美術がとらえる「ゴースト」の存在

絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなどをゴーストをキーワードにキュレーションした「ゴースト 見えないものが見えるとき」がアーツ前橋で9月20日〜12月21日まで開催される。

過去と未来をつなぐメディアとして立ち上がる亡霊的なイメージは、戦争や分断、テクノロジーの脅威、環境破壊といった現代の混沌を映し出しながら、見えない存在と世界の関係を問い直す。約100点の作品によって、私たちの視界の外側で確かに存在する「もうひとつのノイズ=ゴースト」を現代美術を通して可視化していく。

Tony Oursler Open Obscura 1996

技術・歴史・土地から立ち上がる幽霊たち

人工知能やVRといった最新技術を駆使した作品、戦争や抑圧の記憶に迫るモノ、土地や身体に宿る霊性を描き出す制作物まで、多様なアートワークが集結。山内祥太や平田尚也の新作、トニー・アウスラーの大規模インスタレーションをはじめ、丸木位里・俊、クリスチャン・ボルタンスキー、横尾忠則、松井冬子、ヒグチユウコら国内外20組のアーティストが参加する。

山内祥太 Being Us 2025年
新平誠洙 Phantom Paint -3

前橋の街に潜むゴースト

会場となるアーツ前橋館内だけでなく、前橋文学館や市街地の店舗でも作品を展示予定。尾花賢一と石倉敏明は赤城山の伝説をもとにした新作を発表し、マームとジプシーは前橋空襲の記憶や地域の声を重ねたインスタレーションを制作。さらにdaisydozeは詩人・萩原朔太郎をモチーフにした音声インスタレーションで市街地を巡る体験「オーディオイマーシブシアター」を提案する。街並み、伝承、記憶といった前橋のゴーストが多層的に浮かび上がる。

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