公開日:2023年1月31日

「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」が3月開催。世界が注目するデザイン集団の28プロジェクトを紹介

東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で2023年3月17日から6月4日まで

ヘザウィック・スタジオ リトル・アイランド 2021 ニューヨーク 撮影:ティモシー・シェンク

都市、空間、自然をヒューマンスケールで考えるデザイン集団

六本木ヒルズ東京シティビュー(屋内展望台)で、森美術館の企画展「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」が開催される。会期は2023年3月17日から6月4日

1994年にロンドンで設立したヘザウィック・スタジオは、ニューヨーク、シンガポール、上海、香港など世界各地で革新的なプロジェクトを手掛け、熱い注目を集めるデザイン集団だ。創設者のトーマス・へザウィックは、子ども時代に心踊らせた職人の作った小さなものに宿る魂を、建築という大きな建物や空間にも込めることはできるのかという問いを原点としてスタジオを開いたという。

トーマス・ヘザウィック ロンドンの《コール・ドロップス・ヤード》(2018)にて 撮影:マーカス・ホーク

同スタジオのデザインは、都市計画のような大規模プロジェクトであっても、自然界のエネルギーや建築物の記憶を取り込み、ヒューマン・スケールが基準とするという信念にもとづき制作される。その根底にあるのは、プロダクトや建築物という「ハード」よりも、人々が集い、対話し、楽しむという空間づくりへの思いがあるのかもしれない。日本の美術館でははじめての開催となる今展では、スタジオが手がけた主要プロジェクト28件を紹介。

ヘザウィック・スタジオ 麻布台ヒルズ/低層部 2023(予定) 東京 Ⓒ DBox for Mori Building Co., Ltd.
ヘザウィック・スタジオ 上海万博英国館 2010 撮影:イワン・バーン
ヘザウィック・スタジオ サウザンド・ツリーズ 2021 上海 撮影:ジュウ・チンヤン

試行錯誤を重ね、新しいアイデアを実現するかれらの仕事を「ひとつになる」、「みんなとつながる」、「彫刻的空間を体感する」、「都市空間で自然を感じる」、「記憶を未来へつなげる」、「遊ぶ、使う」という6つの視点で構成。人間の心を動かす優しさ、美しさ、知的な興奮、そして共感をもたらす建築とは何かを探る。

会場では、多様なプロジェクトの模型や素材サンプルなどを展示するほか、ヘザウィック・スタジオによって50年ぶりにリニューアルされたロンドンの二階建てバスの原寸大模型(部分)、スタジオが手がけた回転椅子《スパン》に実際に座れるコーナーも設置。日本の暖簾や垂れ幕から着想した展示空間も、もちろんスタジオによるデザイン。

見て、触れて、新しい建築の潮流を知る展覧会になるだろう。

ヘザウィック・スタジオ 新ルートマスター(市バス) 2012 ロンドン 撮影:イワン・バーン
ヘザウィック・スタジオ スパン 2007- Courtesy:Magis 撮影:スーザン・スマート

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