公開日:2026年9月30日

「歌川広重 江戸のベストアングル」(東京国立博物館)レポート。ヒロシゲ・ブルーに染まる江戸をたどる

歌川広重の代表作「東海道五拾三次」「木曽海道六拾九次」「名所江戸百景」を中心に、名作を3期に分けて紹介。会期は9月29日〜12月20日

歌川広重 東都両国遊船之図 三枚続 1830-44(江戸時代・天保中期)

内山晋コレクションの全貌を公開

東京国立博物館 本館にて、特別展「歌川広重 江戸のベストアングル」が、9月29日から12月20日まで開催されている。

本展は、浮世絵の研究と普及に大きな足跡を残した内山晋旧蔵の浮世絵1025点を受贈したことを機に開催され、広重の代表作である「東海道五拾三次」(1期:9月29日~10月25日)、「木曽海道六拾九次」(2期:10月27日~11月23日)、「名所江戸百景」(3期:11月25日~12月20日)の三大シリーズを中心に、風景画、花鳥画の名作を3期に分けて紹介する。各期では、それぞれのシリーズを全点公開し、広重の代表的な風景画シリーズの全貌を見渡せる貴重な機会となる。

会場風景

歌川広重(1797〜1858)は、江戸時代後期を代表する浮世絵師。八代洲河岸(現在の丸の内)生まれ。幼少より絵に親しみ、10代半ばで歌川豊広(?〜1829)に入門し、歌川派の絵師として活動をはじめた。当初、浮世絵の代表的なモチーフである美人画や役者絵なども手がけたが、やがて風景画へと制作の軸を移し、花鳥画や肉筆画も手がけながら大きな成功を収めた。

会場風景

1831年頃(天保2)に刊行された「東都名所」は、広重による初期の江戸名所シリーズだ。第1章「広重風景画のはじまり」では、広重が風景画の絵師として歩み出す契機となった、天保年間前期の作品を紹介する。同様の構図にはすでに歌麿や北斎らの先例があるが、その大胆な構図には広重らしい抒情性が感じ取れる。

会場風景
歌川広重 東都名所 吉原仲之町夜桜 1832-35(江戸時代・天保3~6頃)