公開日:2022年9月15日

リニューアルオープンする広島市現代美術館、2023年3月以降の企画を発表。シリン・ネシャットの新規購入作品も公開

コウミユキ、髙橋銑、竹村京、毒山凡太朗、平田尚也、横山奈美、和田礼治郎の新作も公開。7月からはアフルレッド・ジャーの個展も

リニューアル工事中の広島市現代美術館

新生した美術館で、広島の歴史や地域性に着目した展覧会を開催

改修工事休館中の広島市現代美術館は、2023年3月18日にリニューアルオープンする。今回のリニューアルでは、黒川紀章設計による意匠を活かしながら、展示室の機能向上、カフェ新設、ショップの改装、バリアフリートイレなど設備・サービスの拡充がはかられている。

リニューアル予想パース図 提供:広島市
リニューアル予想パース図 提供:広島市

そんな同館から、リニューアルオープン記念特別展の新情報が公開された。

2023年3月18日から6月18日まで行われる「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」は、「劣化と修復」「夢と希望」「歴史」「原子力」「産業奨励館と原爆ドーム」「楽園」「災害と再生」をキーワードに、様々な現象や状況の「前」と「後」に着目した展覧会。

美術館のコレクションをベースに、社会の変化やシステムの綻び、隠され、葬り去られた過去や歴史を敏感に察知して制作を続ける若手作家による新作を織り交ぜて紹介する。

コウミユキ "Stand Up!" Series「駆け出した犬、浮遊する象」 2019 瀬戸内国際芸術祭2019/小豆島・三都半島での展示風景
髙橋銑 Cast and Rot No.13 2021 Photo by Ichiro Mishima Courtesy of LEESAYA

主な参加作家は、靉嘔伊藤公象井上覚造大岩オスカール岡本太郎デニス・オッペンハイムオノ・ヨーコ河原温鴫剛四國五郎下道基行菅井汲ナンシー・スペロ高山良策田中功起田村友一郎蔡國強土田ヒロミシリン・ネシャットダラ・バーンバウムジョン・バルデッサリ吹田文明キース・ヘリング細江英公松澤宥ヘンリー・ムーア森村泰昌ヤノベケンジ若林奮など。

コウミユキ髙橋銑竹村京毒山凡太朗平田尚也横山奈美和田礼治郎の7名は今回のための新作を発表する。

横山奈美 LOVE 2022 Photo by Hayato Wakabayashi
和田礼治郎 禁断の果実(部分) 2016 パリ・レコレ国際センターでの展示風景 Photo by Martin Argyroglo

2005年の第6回ヒロシマ賞受賞作家でもあるシリン・ネシャットの《Land of Dreams》(2019)は、同館にとって16年ぶりの新規購入作品。今展で初お披露目となる。アメリカ、ニューメキシコ州の住民を被写体とした肖像写真と、若いイラン人の美術学生を主人公にした映像で構成され、アメリカの理想と現実、アメリカとイランのあいだの政治イデオロギーや核政策の不条理と危険性を、住民が語る夢を通して描き出している。

広島市現代美術館では、リニューアル展終了後の7月から第11回ヒロシマ賞を受賞したアルフレド・ジャーの展覧会も予定している。同館の新たなスタートに期待したい。

シリン・ネシャット Land of Dreams 2019 Courtesy of the artist and Gladstone Gallery © Shirin Neshat

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