公開日:2022年12月30日

磯崎新が老衰のため91歳で逝去。ポストモダン建築の旗手として美術館設計や都市構想などを多数手がける

2022年12月28日逝去、享年91

磯崎新 写真はwikipediaより引用(Manel Armengol / Archivo - https://www.flickr.com/photos/manel_armengol/9700507074/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=99452365による)

建築にとどまらない多彩な活動

建築家の磯崎新が2022年12月28日午前10時半、老衰のため那覇市の自宅で亡くなった。享年91。

磯崎は1931年大分県生まれ。54年に東京大学工学部建築学科を卒業したあと、丹下健三研究室に加わり、東京湾上に都市空間を延伸する「東京計画1960」のプロジェクトなどに参加。63年に自身のアトリエを設立して以降は、初期代表作である大分県立大分図書館(現在の大分市アートプラザ、1966)、大阪万博のお祭り広場の装置設計(1970)、バルセロナオリンピック競技場(パラウ・サン・ジョルディ、1990)など世界各地で建築や都市設計に携わった。また群馬県立近代美術館(1974)、利賀村野外劇場(1982)、ザ・パラディアム(1985)、ロサンゼルス現代美術館(1986)、ハラ・ミュージアム・アーク(1988)、水戸芸術館(1990)、アニッシュ・カプーアと協働したアーク・ノヴァ(2011)など、劇場や美術館の設計も多数手がけた。近年は中国での大規模な都市計画も手がけていた。

群馬県立近代美術館
水戸芸術館
水戸芸術館

『空間へ』『建築の解体』『建築の修辞』(すべて美術出版社刊)などの著作でも知られるほか、「海市 ー もう一つのユートピア」(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]、1997)、「磯崎新 都市ソラリス」(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]、2013)などの展覧会企画も手がけ、建築を軸とした芸術総体へのヴィジョンを示し続けた。

96年にはヴェネチア・ビエンナーレ建築展で金獅子賞を受賞。2019年にはプリツカー賞を受賞した。

Art Beat News

Art Beat News

Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。