公開日:2024年1月5日

写真家・篠山紀信さんが1月4日に死去。「激写」「ヘアヌード」などの流行語を生み出し著名人のポートレイトを数多く手がける

人物や建築、風景など様々な写真を発表してきた篠山紀信さんが亡くなった。83歳。

篠山紀信さん

著名人のポートレイトなどを数多く手掛け、時代を象徴する写真を残してきた写真家の篠山紀信さんが1月4日に亡くなった。享年83。

篠山さんは1940年東京生まれ。日本大学藝術学部写真学科在学中の1961年に広告写真家協会展APA賞受賞。広告制作会社「ライトパブリシティ」を経て、68年よりフリー写真家として活動を開始した。

活動の初期から高く評価され、1966年東京国立近代美術館「現代写真の10人」展に最年少で参加。
1972年、歌舞伎俳優・坂東玉三郎を写した写真集「女形・玉三郎」で芸術選奨文部大臣新人賞。
1976年にはヴェネツィア・ビエンナーレ日本館の代表作家に選ばれ、建築家・磯崎新の構成で「家」シリーズを展示した。

『晴れた日』(平凡社、1975)、『家』 (潮出版社、1975)など初期を代表する写真集をはじめ、その著書は300点以上にのぼる。展覧会も数多く開催。2012~19年に全国巡回した個展「写真力」は計100万人以上が来場した。

2021年には東京都写真美術館で大規模個展「新・晴れた日 篠山紀信」を開催。1960年代の初期作から、2011年の東日本大震災を経て、21年に向かう東京の姿をとらえた写真までを展示した。

また、1971年より『明星』の表紙を担当するなど、時代を象徴する様々な著名人のポートレイトを撮影してきた。青年誌『GORO』で山口百恵を撮影したことで流行語となった「激写」シリーズ、ジョン・レノンとオノ・ヨーコや、自決前の三島由紀夫の撮影などは特に有名だ。女優・樋口可南子の写真集『Water Fruit 不測の事態』、宮沢りえの写真集『Santa Fe』は大きな話題を呼び、ヌード写真集というジャンルを牽引した。

篠山紀信さん

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