
二階広間の会場風景
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2026年夏から京都府京都文化博物館を皮切りに始まった、フィンランド生まれのデザインハウス・マリメッコの大規模巡回展「マリメッコ展 模様のちから」の東京展が東京都庭園美術館で開幕した。会期は12月20日まで。本展は東京での会期終了後、ひろしま美術館へと続き、北九州・富山・名古屋・長崎など約2年かけて全国を巡回する予定だ。
1951年にアルミ・ラティアとヴィリヨ・ラティア夫妻によって設立されたマリメッコは、鮮やかな色彩と大胆な模様によってファッションからインテリア、テーブルウェア、日常の小物にいたるまで、これまでに3500種類以上のプリント・デザインを世に送り出してきた。本展では、ヘルシンキ建築&デザイン・ミュージアムやマリメッコ本社から集められた60点を超える様々な年代のドレスやファブリック、制作過程を伝える資料を通して、マリメッコの美学とその創造の背景に迫る。

メインの会場となるのは、1933年、皇室朝香宮家の自邸として建てられた東京都庭園美術館の本館。フランスのアール・デコ装飾を基調とし、日本の意匠も随所に配された空間だ。邸内には花や樹木、波など自然を思わせるモチーフや、幾何学的に構成された模様がいたるところに現れる。建築の細部に息づいた模様が、生命力あふれるマリメッコの模様と響き合い、展覧会の副題である「模様のちから」を体現する場となっている。
プレス内覧会に出席した担当学芸員の森千花(東京都庭園美術館 事業係長)は、「朝香宮邸がもともと人が暮らしてきた邸宅空間であるという性格を生かし、まるでこの場所で実際に使われているかのようにマリメッコのファブリックを取り入れることを試みました。マリメッコのプリントは衣服やインテリアとして暮らしの中に入ることで、その魅力がより鮮明になります。いっぽう、朝香宮邸も建築と室内装飾が一体となり、生活の場をかたち作っています。両者には、デザインが暮らしの中で生きるという共通点があります」とコメントした。


こうした試みは、マリメッコと同美術館の対話の積み重ねによって実現したという。
マリメッコのホーム&プリンツ デザイン・ディレクターのミンナ・ケメル=クトゥヴォネンは、「今回、プリントはただのオブジェとしてではなく、体験としてみなさんに提示されます。これらはダイアローグ(対話)を通じて実現しました」と話し、クリエイティブ・ディレクターのレベッカ・ベイは「私たちのアーカイヴには様々なデザインがありますが、それらはすべてアーティストやデザイナーたちとのダイアローグによって生み出されました」とコメント。マリメッコの創造が、様々な人との対話によって育まれてきたことがうかがえる。
本展ではアートユニット・plaplaxによる音とプロジェクションの展示や、ゲスト参加するデザイナー・皆川明によるインスタレーションなど、多様なクリエイションも展開される。さらにデザイナー・田部井美奈によるポスターは、京都展と東京展でキーヴィジュアルが異なるカラーリングになっている。こうした多彩なクリエイターとの協働からも、時代や領域を越えて新たな表現を生み出していく柔軟な姿勢が感じられる。
