最終更新:2021年11月5日

グラフィックデザイナーの仲條正義氏が死去。資生堂パーラー、東京都現代美術館のロゴデザインなどで知られる

日本でもっとも影響力を持ったグラフィックデザイナーのひとりが逝去

グラフィックデザイナーの仲條正義(なかじょう・まさよし)氏が10月26日、肝臓がんのため東京都内の自宅で死去した。享年88。

仲條正義氏は1933年東京生まれ。56年東京藝術大学美術学部図案科卒業。同年、資生堂宣伝部に入社し、59年には株式会社デスカ入社。60年よりフリーとなり、翌年、株式会社仲條デザイン事務所を設立した。

仲條正義 撮影:若木信吾

68年から2008年まで40年以上にわたって資生堂企業文化誌『花椿』のアートディレクターを務め、東京銀座資堂ビルのロゴおよびサイン計画。資生堂パーラーのロゴタイプおよびパッケージデザインを行った。資生堂パーラーのパッケージデザインは2015年に自らのデザインを25年ぶりにフルリニューアル。
そのほかにも、NHK『にほんごであそぼ』かるた、雑誌『暮しの手帖』表紙イラストレーションなどグラフィックデザインを中心に活動。1990年代以降、日本でもっとも影響力を持ったグラフィックデザイナーのひとりとも言われており、その逝去を惜しむ声も多い。

資生堂パーラーのパッケージデザイン
「仲條の前半分」(@btf、2013)会場風景 撮影:玉井佳
「仲條の前半分」(@btf、2013)会場風景 撮影:玉井佳

プリミティブな図形の造形を生かしたロゴ、手描きや未完成の状態を思わせながらも力強く成立するデザインは、いずれも一目見れば仲條によるものだとわかるものばかり。これまでに「仲條正義展 – 忘れちゃってEASY思い出してCRAZY -」(資生堂ギャラリー、2012)、「IN & OUT, あるいは飲&嘔吐」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー[ggg]、2017)、「仲條正義作品集出版記念展『仲條 NAKAJO』」(UTRECHT / NOW IDeA、2021)など多数の個展を行い、人気を呼んだ。

「仲條の前半分」(@btf、2013)会場風景 撮影:玉井佳
「仲條の前半分」(@btf、2013)会場風景 撮影:玉井佳

仲條はアート界ともつながりが深く、美術館や文化施設のCI(コーポレート・アイデンティティ)も多く手がけた。たとえば東京都現代美術館、ワコールスパイラル、細見美術館のロゴは仲條によるもの。
東京都現代美術館が公開するインタビュー動画では、猪熊弦一郎とのつながりがあった青年期、油絵が好きだった大学生時代、「MOT」のロゴへのこだわりや、デザインする喜びについては「できあがったときよりも、(こういうふうにすれば)アイデアがまとまるかなと思ったときが嬉しい」と明かし、同館に期待することについては「“現代”がつくんだから、もっとアバンギャルドにやっていただきたい」と笑顔を見せている。

東京都現代美術館のロゴ

生前、TDC会員金賞、ADC会員最高賞、⻲倉雄策賞、毎日デザイン賞、日本宣伝賞山名賞、毎日ファッション大賞 鯨岡阿美子賞ほか数多くの賞を受賞。紫綬褒章、旭日小綬章受章。また、日本グラフィックデザイン協会理事、東京タイプディレクターズクラブ副理事⻑、東京アートディレクターズクラブ委員、東京イラストレーターズソサエティ理事、毎日広告デザイン賞審査員、女子美術大学デザイン学科客員教授等の役職を歴任した。

仲條が手がけた松屋銀座のロゴ

葬儀は10月30日10:00から東京都杉並区の妙正寺会館にて行われる。喪主は長男の一哉。

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