画像提供:JR東日本 ※パースは計画中のものも含まれるため、一部変更になる場合あり
JR東日本は、高輪ゲートウェイ駅に隣接するTAKANAWA GATEWAY CITYに、革新的な文化創造・発信拠点「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」を2026年春に開館すると発表した。
「MoN」には、新たな世界への「門」と、未来を創造するための「問」というふたつの意味が込められている。これは、江戸時代に高輪に存在した大木戸というゲートの歴史的意味を現代に重ね合わせたコンセプトでもある。

MoN Takanawaの最大の特徴は、年2回設定される「テーマ(=問い)」を中心とした館内全体でのプログラム展開だ。テーマを通して、地下3階から地上6階、屋上までの空間をつなぎ、伝統芸能、マンガ・アニメ、音楽、食などの日本文化に、最新のテクノロジーを掛け合わせた多種多様なプログラムが有機的に連動し、来館者に多層的な文化体験を提供する。

従来の美術館が「モノ」を収集・展示するのに対し、MoN Takanawaは「体験」や「プロセス」をデジタル技術でアーカイヴし、コレクション化するという画期的なアプローチを採用する。舞台装置のデジタル化や制作プロセスを含むパフォーマンスの記録保存により、再上演や新たな創作活動への活用を可能にする。また、来館者の体験や思い出もアーカイヴの対象とし、個人の記憶と文化創造を結びつける試みも計画されている。


さらに開館に向けて、国内外のパートナーとともに戦略的パートナーシップも計画中。松竹株式会社との協働では、歌舞伎の新しい演出方法と記録アーカイヴ技術の開発を進める。俳優の身体性を尊重しながら、現代のパフォーマンスと融合した革新的な舞台作品の創造を目指す。

J-WAVEとの連携では、館内の多層空間全体を"楽器"としてとらえた新しいフェスティバル形式を開発。屋上庭園からライブラリーまで、空間と音楽が共鳴する独自の音楽体験を創出する。
国際的には、ロンドンのBarbican Centreとの協働により、グローバルな視点での文化コンテンツ制作を展開。テーマリサーチからコンセプトメイキングまで共同で行い、メディアやジャンルの枠を超えた企画を開発予定だ。

JR東日本の鉄道ネットワークを活かし、MoN Takanawaは都市と地方をつなぐハブ機能も果たす。青森県立美術館との連携では、青森の作品を大型LEDでダイナミックに再構築し、テクノロジーを活用した新たな芸術表現に挑戦する。また、地方の美術館や伝統工芸品の産地との連携プログラムも予定されており、東京から地方への文化的な人の流れを創出する試みも注目される。
東京のアートシーンに新たな動きをもたらす施設として、注目されるMoN Takanawa。来年の開館を楽しみにしたい。
