文部科学省 撮影:Dick Thomas Johnson(https://www.flickr.com/photos/31029865@N06/5845690158/)Creative Commons Attribution 2.0 Generic(cropped)
3月31日、文部科学省が博物館運営基準を改正し、収蔵品の管理に「廃棄」を含めることを明記した。「美術館が作品を捨てるのか」といった反応も見られるが、複数の美術館関係者に話を聞くと、この問題はそう単純なものではないことが見えてくる。
まず、美術館の収蔵はすでに限界に近づいている。これは聞き取りを行った関係者全員が明言していたことだ。ある国立館の担当者は、次のように話す。
複数の外部倉庫を使用しているが、なおもスペースに余裕がない。運用コスト増も負担になっています
収蔵はたんに場所を確保すれば済むものではない。作品の保存環境を維持し続けるためのコストは、年々重くなっていく。それでも収集の判断そのものは揺らいでいないという。
(コレクションに)入れるべき作品を入れるという判断に、大きな変化は感じません。
限界は確かにあるが、それによって基準を変えるわけではない。この姿勢は、多くの美術館に共通するものだろう。そのいっぽうで、厳しい取捨選択を強いられる場面もあるようだ。近現代美術を扱う美術館の担当者は、現状をこう語る。
たとえ優れた作品であっても、収蔵庫に収まりきらないという状況から収集対象として検討するのが難しい状況にある。また、寄託についても、従来は当館の活動方針にそぐうものであればコレクションの欠落を埋められるという利点もあり受け入れてきたが、作品保管スペースの逼迫に伴い、近年は受入基準を厳しくしています。