公開日:2021年11月12日

『はらぺこあおむし』の世界に子供も大人も飛び込もう! 二子玉川にオープンするエリック・カールの絵本がテーマの施設「PLAY! PARK ERIC CARLE」をレポート

迷路、アスレチック、ワークショップを開催するアトリエ、ベビーエリアなど、9つのブースを行き来しながら遊んで学べるインドアプレイグラウンド施設

世界中の子供たちに愛されている絵本『はらぺこあおむし』の作者エリック・カールの世界観をテーマにした、日本初となる新しい体験型の場「PLAY! PARK ERIC CARLE(プレイパーク エリック・カール)」が、11月12日にオープンする。

場所は東京・二子玉川駅前の「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」8階。迷路、アスレチック、アトリエ、ベビーエリア、ドリンクバーなど、9つのブースで構成されたインドアプレイグラウンド施設となっている。創造性、発見、遊び、自然などを大切に考えていたエリック・カールの思いに着想を得て、遊びや学びを通じて子供たちが成長できるように、様々な工夫が施されている。

まずは靴を脱いで入場。同施設のプランナー・デザイナーの青木貴之は、「感染症対策や汚れを防ぐというのはもちろん、まず足裏の感覚が変わることで、新しい世界に来たということを実感してほしい」と語る。

そして目の前には3つの扉が。このなかの1つを選ぶことから、入場者の冒険が始まる。扉の先には「みどりのめいろ」が広がり、子供たちは自分がどこにいるのかわからない不思議な気持ちを味わいながら、ところどころに隠れている、エリック・カールが描いた生き物たちを探すことができる。上部や柱の鏡ばりによって、空間が無限に広がるように感じられるだけでなく、保護者は子供たちがどこにいるのか見守ることが可能だ。

「ディスカバリーゾーン」は自然や生き物と触れ合いながら作品づくりを行ったエリック・カールの理念に基づき、虫や動物に出会い、発見する場所として作られている。エリック・カールが描いた虫や動物、オリジナルで制作された昆虫や鳥の羽などの標本を観察することができる。動物を象った立体物は触ることができ、手に優しい素材で作られている。壁に設置された小さな扉からと昆虫の声が聞こえるなど、様々な感覚を楽しませてくれるゾーンだ。

アートやファッション好きにとって注目なのは、服飾レーベル「ケイスケカンダ」による「あおむし」の展示。エリック・カールの制作手法などから着想を得て制作されている。また「ケイスケカンダ」は、入り口にある撮影用の装飾パッチワークも制作。

このほかにも、本施設では一般的な子供向け施設とは異なり、工芸や手仕事による作品や装飾が大事にされている。それは「できるだけ本物の工芸に触れてほしい」(青木)という思いからだという。

「アトリエ」には子供たちの体に合わせた机と椅子が並ぶ。ここでは常時ワークショップが開催されており、専門知識を持つスタッフによるレクチャーのもと、子供たちの自主性を大切にしながら、いろいろな素材を組み合わせて作品づくりが行われる。

「アスレチック」には、スウェーデンで約70年の歴史をもつヨーロッパ最大の公園メーカーHAGS社製のすべり台、ボルダリング、トンネルなど、10種類近くの遊具がある。ここでは、よじ登る、飛び降りる、ぶら下がる、滑るなど、思い思いに身体を動かして遊びたい。

青木は、「屋内なのに屋外にいるような感覚で遊べるアスレチック。自然のカラーを生かし、照明は太陽光のように、明るい部分と影の部分ができるようになっている」と説明。

また、エリック・カールの絵本『たんじょうびのふしぎなてがみ』をモチーフにした仕掛けもあり、物語の世界も味わえる。

「オートマタ&ザ・ルーブ」のゾーンでは、ボールを入れて遊ぶ巨大な装置ルーブ・ゴールドバーグ・マシンが存在感を放つ。装置の中で、あおむしがちょこちょこと歩いていく姿がかわいらしい。またオートマタ制作の第一人者マット・スミスの工房で研鑽を積んだ、日本を代表するオートマタ作家の原田和明が手掛けた、触って遊べるからくり人形やゲームが楽しめる。

そのほか、人気絵本『パパ、お月さまとって!』に登場する、まん丸お月さまを展示した「お月さま」や、授乳室、おむつ台、ウォーターサーバーを完備した2歳未満児限定の部屋「ベビーエリア」などがある。

ちょっと遊び疲れたな……と思ったら、「ドリンクバー/ひとやすみスペース」へ。ジュースのほか、小川珈琲のコーヒーやLUPICIAの紅茶などがフリードリンクとして用意されているのが、大人にとっても嬉しいところ。バー上部のライトがあおむし風なのもかわいい。

また施設横にはショップ「Hungry Market」もオープン。エリック・カールの世界をあしらったオリジナル商品のほか、生き物や知育玩具などをセレクトしており、こちらは入場料不要となっている。

本施設の特徴は、アスレチックで身体を動かしたり、アトリエで工作をしたり、オートマタなどの機械や生き物の標本を観察したり……といった、子供の多様な興味をそそる要素が融合している点だろう。

また、アスレチックゾーンの横に階段があり、保護者は座って子供たちを見守ることができるなど、大人にとっても居心地良く安心して過ごせるような工夫が凝らされている。ベビーカー置き場も広いスペースが確保されているのがポイントだ。

また、本施設オープンと合わせて、二子玉川ライズ・ショッピングセンターのガレリアには『はらぺこあおむし』で装飾されたクリスマスツリーも登場。子供と一緒に訪れれば、楽しい冬の思い出になるのではないだろうか。

PLAY! PARK ERIC CARLE
住所:二子玉川ライズ・ショッピングセンター タウンフロント 8F
営業時間: 10:00〜20:00
  第1部10:30〜12:30
  第2部13:30〜15:30
  第3部16:30〜20:00
料金:初回2500円(税込)(大人・子ども共通料金、オリジナルタンブラー付き)
2回目以降2,000円(税込)
※入場は事前予約制。予約サイト(https://playec.jp/
※生後1歳未満は無料
公式サイト:https://www.playec.jp

福島夏子(編集部)

福島夏子(編集部)

「Tokyo Art Beat」編集。音楽誌や『美術手帖』編集部を経て、2021年10月より現職。