木村奈緒 編著
青土社 3400円+税 11月26日発売

建築家・岡啓輔とその仲間たちが、20年にわたって自力建設(セルフビルド)を行う「蟻鱒鳶ル」。主婦、ミュージシャン、研究者、詩人、映像編集者など様々な背景を持つ人びとが集まり、建てられた同ビルの軌跡を記録した日記集。
杉本博司 著
小田原文化財団 8000円+税 10月31日発売

現代美術作家・杉本博司が20年以上構想し、2017年に開館した小田原文化財団 江之浦測候所。同館は、杉本が設立した小田原文化財団の拠点として、古今の日本の文化を融合し、時代を超越する芸術と建築の複合施設として誕生した。初の記録集である本書には、これまで行われた多彩なプロジェクトの内容や、四季折々、刻々と移ろう光と影をとらえた写真の数々が収録された。
斉藤 綾子 著
青弓社 3000円+税 12月25日発売

映画はその黎明期から、男性主体のまなざしによって構築されてきた。本書では、フェミニズム映画理論も含めた多様な映画理論の展開を整理したうえで、「女性と映画」「性差と映画」という問題に意識的・無意識的に取り組んだ映画監督や俳優たち、そして、撮られ、見られる存在でありながら、みずからもメガホンを取った女性監督たちの挑戦的な試みを紹介・批評する。
山村浩二 著
フィルムアート社 2600円+税 12月19日発売

日本を代表するインディペンデントアニメーション作家である山村浩二。本書は、山村が東京藝術大学大学院アニメーション専攻で20年近く行なっている講義「アニメーション構想設計論」をもとにしている。創作者ならではの視点を通して、メタモルフォーゼ、カリカチュア、アニマシーなどアニメーションをかたち作る10の特質をひもとき、世界各国の作品を紹介する。
秋田麻早子 著
朝日出版社 2000円+税 12月19日発売

名画の造形分析を平易な語り口で解説し、話題となった『絵を見る技術』の続編が発売。今回はルネサンス、バロック、ロココなどの時代様式(スタイル)をテーマに、絵画の読み解き方を紹介する。また、書中には「見る力」を鍛える実践問題も多数収録。読み終える頃には、絵画の目利き力がきっと高まっているはず。
ジャック・ハルバスタム 著
花伝社 3800円+税 12月22日

「大都市規範(メトロノーマティヴィティ)」「クィアな時間性」などの最重要概念を提示し、2000年代の文化研究に大きな影響を与えた画期的文献が待望の翻訳。「過去/現在/未来」「都会/地方」「大人/若者」といった分析的な枠組み、あるいはそれらを前提としたヘゲモニック(覇権的)な「時間-空間」モデルを、クィア、トランスジェンダーの身体・欲望・実践から読み換え、新たな「時間性モデル」を構築する。
anon press 編著
anon press 12月13日発売 2272円+税

anon pressは「未来を複数化する」をコンセプトに、週1作のペースで、様々なジャンルの作品(小説・詩歌・漫画・座談会・怪文書etc……)を紹介するオンラインプラットフォーム。アンソロジー第2弾となる本書では、ある種定番でありながらも正面から探求されることの少なかった「東京」と「サイバーパンク」をテーマとし、現代におけるその可能性を検討する。新たな表現を模索する気鋭のアーティストたちの実験的な試みに注目したい。