公開日:2026年5月25日

【新刊情報】今月の読みたい本! 草間彌生から春画、手塚治虫まで(2026年6月版)

アート、映画、デザイン、建築、マンガ、ファッション、カルチャーなどに関するおすすめの新刊を紹介。

アートイベントをつくる仕事 ラフォーレミュージアム原宿から六本木アートナイトへ

武村 俊=著
株式会社トンカチ 3,300円+税 5月12日発売

1980年代の東京では、美術、音楽、演劇、パフォーマンスとジャンルを超えた表現が混ざり合う「イベント」から新しい文化が生まれていた。東京のカルチャーの最前線に立ち続けたイベント制作者・武村俊が、オルタナティブ・スペースの先駆けとなったラフォーレミュージアム原宿から21世紀の都市型フェス・六本木アートナイトまで、45年にわたる現場の記憶を綴る。

新装版 暁斎春画 ゴールドマン・コレクション

石上阿希、定村来人=著 
青幻舎 3,000円+税 5月12日発売

河鍋暁斎は幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・日本画家。当時、春画は老若男女に楽しまれ、嫁入り道具や縁起物、厄除け・火除けとして福をもたらすものとされていた。「性」と「笑い」が織りなす「わらいゑ」として暁斎が描く春画から、江戸時代の性への視点とユーモアを感じ取れる一冊だ。

草間彌生 1945年から現在

ドリアン・チョン、吉竹美香=編集 田辺希久子、松尾真奈美=翻訳 
青幻舎 10,000円+税 4月20日発売

芸術家・草間彌生は80年にわたるキャリアを通じて、多様な活動で世界的な評価を獲得してきた。本書は、過去最も包括的な展覧会「Yayoi Kusama 1945 to Now」のカタログ日本語版。第二次世界大戦終戦後から現在までの草間の独創的な創作を、豊富な資料、草間の著作、キュレーターによる鼎談などを通して400ページにわたり紹介する。

芸術の発見 AI時代の生きる条件

岡﨑乾二郎=著 
フィルムアート社 2,600円+税 6月26日発売

岡﨑乾二郎は絵画、彫刻、環境文化圏計画、ロボット開発など幅広い分野にわたる表現活動に加え、文化全般にわたる批評家としても活躍している。本書は、岡﨑がAIの時代においてよく生きることの意味を問いた一冊。AI終末論に対峙する、希望の書だ。

完全に平等で、非常に差別的な 拡張のダンス史

キム・ウォニョン=著 牧野美加=翻訳 
みすず書房 3,400円+税 5月11日発売
 

著者のキムウォニョンは弁護士からダンサーに転身し、様々な実践を通して「よい」ダンスとは何か、その評価基準を誰が決めるのかという答えを追求してきた。本書は、古今東西のダンサーとその評価を独自の視点でとらえ、美しく踊る身体のあり方を再検証する。

ながい窖

手塚治虫=著、 四方田犬彦=解説、本浜秀彦=解説、李鳳宇=解説、神谷丹路=解説、林晟一=解説、李英美=解説 
法政大学出版局 2,000円+税 5月29日発売

手塚治虫の全集未収録作『ながい窖(あな)』が、原稿からの再スキャンによって待望の復刻を果たした。戦前から戦後にかけての在日朝鮮人をテーマに、忘却された歴史や差別の実態を鮮明に描き出した1970年初出の重要作だ。漫画研究のみならず朝鮮近現代史など歴史学的視点も交え、手塚の現代性をあらためて問い直す一冊。

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