東京オペラシティ アートギャラリーで、ライアン・ガンダーの東京では初の大規模個展「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」が、2022年7月16日から9月19日に開催される。同展は、当初2021年4月からの開催を予定していたもので、コロナ禍により延期を余儀なくされていた。アートファンのみならずアーティスト自身にとっても待望の開催となる。
ガンダーは、日常生活で気に留めることすら忘れているあたりまえの物事への着目を出発点として、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像などを手掛けてきたアーティスト。制作の背景には、「見る」ということについての考察や日常経験の鋭い分析など、知的な好奇心が満ちあふれている。意外なもの同士を結びつけ、情報を部分的に隠蔽し、ユーモアをまじえて「そもそも」を考えるきっかけを作るのが、ガンダーの真骨頂だ。
今回は、ガンダーの新旧様々な作品を組み合わせながら、大きな展示室をひとつの作品として作り上げる。作品のなかには、ガンダーが制作活動の初期から持ち続けてきた「時間」「お金・価値」「教育」「よく見ないと見えないもの」への関心が込められているという。
また、昨年の開催延期の代案としてガンダーから提案・実施された「個展あらためガンダーが選ぶ収蔵品展」も再度開催。一粒で2度おいしい展覧会になるだろう。