公開日:2026年4月9日

坂本龍一のピアノ演奏を複合現実(MR)空間に再現。《KAGAMI》が6月から大阪VS.にて日本初上演

会期は6月27日〜10月12日

《KAGAMI》 メインヴィジュアル

坂本龍一トッド・エッカート率いるTin Drum(プロデュース・ビジュアル制作)が共同制作した《KAGAMI》が、VS.(グラングリーン大阪内)にて日本で初めて上演される。会期は6月27日〜10月12日。

坂本が晩年の4年間をかけて取り組んだ本作は、坂本のピアノ演奏を三次元的にとらえ、複合現実(MR)空間に再現するプロジェクトだ。2023年にニューヨーク「The Shed」で世界初演されて以降、ロンドン、マンチェスター、台北、シンガポール、メルボルン、イタリア、香港など世界各地で上演され、多大な反響を呼んでいる。

Tin Drum(ティン・ドラム)は、独自の立体的な表現と現実世界を融合させた複合現実コンテンツを制作するスタジオ。2016年にトッド・エッカートによって設立され、ニューヨークを拠点に、アーティスト、エンジニア、デザイナー、テクノロジストなど多様なクリエイターが集うコレクティヴとして活動している。トッド・エッカートは、アメリカのディレクター、プロデューサーで、イアン・カーティスを描いた映画『コントロール』のプロデュースや、マリーナ・アブラモヴィッチを起用したARパフォーマンス作品 『The Life』の監督などで知られる。Tin Drumの最新作であるMR演劇作品『An Ark』のコミッションやプロデュースも手がける。

《KAGAMI》では、観客が透過型ヘッドセットを装着し、独自の三次元映像技術によって精緻に再現された坂本龍一の姿と、研ぎ澄まされた演奏を体験する。現実のコンサートでは叶わない距離で坂本の姿を目の当たりにする、いままでにない没入体験だ。会場には映像、写真、テキストのほか、坂本自身が調香した「香り」も漂い、五感を通じて坂本の音楽世界に入り込むことができる。英国のThe Guardianは本作を「彼の生前には多くの人が体験できなかったであろう、魔法のような体験」と評している。

現実の中にヴァーチャルな僕がいる。
ヴァーチャルな僕は歳をとらずに、何年、何十年、何百年とピアノを弾き続ける。
その時人類はいるだろうか?
人類の次に地球を征服するイカが聴いてくれるのだろうか?
彼らにとってピアノとは?
音楽とは?
そこに共感は成立するのだろうか?
何十万年の時を跨ぐ共感が。
ああ、だけどそれまで電池がもたないな。

坂本龍一 (プレスリリースより)

坂本龍一は、私に「世界の聴き方」を教えてくれた人でした。
殺伐としたアメリカの都市で過ごしていた多感な十代の頃、私は彼の音楽に出会いました。その音楽は、あまりに美しく、切実で、それまで聴いたどんなものとも違っていました。芸術においても、人生観という点でも、私のなかの「可能性」という概念を変えてしまったのです。
坂本龍一という存在を知ることができた幸運、そして病や世界的な混乱という困難を乗り越え、生の限界を超える作品を共に創り上げられたことに、深く感謝しています。
『KAGAMI』の中で、彼は永遠に聴衆と出会い続けます。それは私たちが最初から掲げていた願いであり、ディレクターとしてこれ以上に光栄なことはありません。

トッド・エッカート / Director & Producer of KAGAMI (プレスリリースより)

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