公開日:2022年12月8日

闘病中の坂本龍一のニューアルバム『12』に、李禹煥がアートワークを提供。12月11日にはコンサート映像配信も

オリジナルアルバム『12』は2023年1月17日にリリース

李禹煥のドローイングをあしらった『12』のジャケット

ニューアルバム発表に合わせてオンラインでのピアノ・ソロ・コンサートも配信

坂本龍一にとって約6年ぶりとなるオリジナルアルバム『12』のジャケットに、「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン)が新作ドローイングを提供した。同アルバムは坂本の71歳の誕生日である2023年1月17日にリリース

李禹煥のドローイングをあしらった『12』のジャケット

2020年にステージ4の直腸ガンを診断されて以降、闘病を続けている坂本。日記を書くように制作した音楽のスケッチから12曲を選び、1 枚のアルバムにまとめたのが『12』だ。その発表にあたり、坂本は以下のコメントを発表している。

2021年3月初旬、
大きな手術をして長い入院の末、新しい仮住まいの家に「帰って」きた。
少し体が回復してきた3月末のこと、ふとシンセサイザーに手を触れてみた。
何を作ろうなどという意識はなく、ただ「音」を浴びたかった。
それによって体と心のダメージが少し癒される気がしたのだ。
それまでは音を出すどころか音楽を聴く体力もなかったが、
その日以降、折々に、何とはなしにシンセサイザーやピアノの鍵盤に触れ、
日記を書くようにスケッチを録音していった。

そこから気に入った12スケッチを選びアルバムとしてみた。
何も施さず、あえて生のまま提示してみる。
今後も体力が尽きるまで、このような「日記」を続けていくだろう。

坂本龍一

坂本龍一 Photo by zakkubalan © 2022 Kab Inc.

来年1月のリリースを前に、12月11日12:00(日本時間)には事前収録されたピアノ・ソロ・コンサート「Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 2022」の映像配信が行われるが、このパフォーマンスの後半部分としてアルバムの先行フル視聴ができる。

配信されるのは、坂本が「日本でいちばんいいスタジオ」と評するNHK 509スタジオで撮影された映像。「ライヴでコンサートをやりきる体力がない」という状況のなか、ゆっくりと時間をかけて撮影・編集された60分が配信される。そして、その後半として『12』の先行配信を聴くことができるという構成だ。

同日には、109シネマズのプレミアムサウンドシアター「SAION」でのライブビューイング(全2回)も開催されるが、残念ながらこちらはすでに全席ソールドアウトしている。

オンラインという変則的なかたちであるが、久しぶりの坂本の演奏に注目したい。

坂本龍一 最新オリジナルアルバム『12』

発売日:2023年1月17日
価格:CD ¥3,410(税込)/VINYL(初回生産限定盤2枚組) 封入特典:自筆スケッチ|譜面プリント ¥10,780(税込)
https://special.musicslash.jp/sakamoto2022/

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