公開日:2023年6月13日

「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」展が渋谷ヒカリエで7月開催。新たに発掘された作品や未公開作を含む400点以上が集まる

「カラー写真のパイオニア」とも言われるソール・ライターの色彩感覚の源泉に迫る。ヒカリエホール ホールA(渋谷ヒカリエ9F)にて、7月8日〜8月23日開催。

4点ともソール・ライター《無題》(撮影年不詳) © Saul Leiter Foundation

カラー写真のパイオニア、ソール・ライター3度目の大回顧展

2023年4月10日からのBunkamura休館(オーチャードホールを除く)に伴い、Bunkamuraザ・ミュージアムは、ソール・ライター生誕100年を記念し、渋谷ヒカリエ9Fのヒカリエホールにて展覧会「ソール・ライターの原点ニューヨークの色」を開催する。会期は7月8日〜8月23日。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

ソール・ライター(1923-2013)はペンシルバニア州ピッツバーグに生まれ。父親はユダヤ教の聖職者。1946年に画家を志し、神学校を中退してニューヨークへ移住。58年、『ハーパーズ・バザー』誌でカメラマンとして仕事を始め、80年代にかけて多くの雑誌でファッション写真を撮影した。2006年、初の写真集『Early Color』出版。08年にはパリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団でヨーロッパ初の回顧展を開催。12年にはドキュメンタリー映画が製作された。17年と20年にBunkamura ザ・ミュージアムで行われた回顧展はほぼ無名だったライターの名を一気に世間に知らしめ、大きな反響を呼び起こした。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

新たに発掘された写真も展示

13年にライターがこの世を去った時点で、その作品の大半は未整理のままだったが、翌年に創設されたソール・ライター財団によって、アーカイヴがデータベース化。未整理の作品はカラースライドだけでも数万点にのぼるため、つねに新たな発見が続く“発展途上” の作家でもある。

本展では、1950~60年代頃、黄金期のニューヨークを写し撮った未公開スナップ写真を多数展示。カラー写真約250点を10面の大スクリーンに投影する迫力の展示空間も広がる。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

後の巨匠アーティストたちのポートレートを紹介

ライターと言えばニューヨークの街並みのイメージが強いが、本展では人物の写真も多数紹介される。たとえば50〜60年の『ハーパーズ・バザー』 誌のために撮影したファッション写真、そして美術ファンなら気になる後の巨匠たちのポートレイトだ。アンディ・ウォーホル、ユージン・スミス、セロニアス・モンク、マース・カニングハム、ジョン・ケージ、ロバート・ラウシェンバーグらの若き日の貴重な姿を見ることができる。

ソール・ライター  アンディ・ウォーホル 1952年頃 © Saul Leiter Foundation
ソール・ライター 『ハーパーズ・バザー』 1963年2月号のための撮影カット © Saul Leiter Foundation

そのほか未公開のモノクロ写真、絵画も集結。見どころたくさんの展覧会になりそうだ。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

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