公開日:2023年10月6日

棟方志功の大回顧展「生誕 120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」が、 東京国立近代美術館で開催。縦3mの巨⼤屏⾵《幾利壽當頌耶蘇⼗⼆使徒屏⾵》も約60年ぶりに展⽰へ

棟方志功の生誕120年を記念した大回顧展が、10月6日〜12月3日まで

会場風景より、《門舞男女神人頌》(1941)

20世紀の日本を誇る版画家といっても過言ではない、棟方志功(1903〜1975)。棟方の暮らした土地である青森、東京、富山を巡る大回顧展「生誕 120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」が、東京国立近代美術館で始まった。青森、東京、富山は、棟方志功が芸術家として大成していく過程のなかで、大きな影響を与えた3つの地域である。

会場風景より、《二菩薩釈迦十大弟子》(1940)
会場風景より、《弁財天妃の柵》(1965)

棟方は、仏教を取り扱った作品でも広く知られており、ヴェネチア・ビエンナーレでの受賞をはじめ、「世界のムナカタ」として国際的な評価を得ている。板画(自作木版画の呼称)、倭画(自作肉筆画の呼称)、油画といった様々な領域を横断しながら、本の装幀や挿絵、包装紙などの商業デザイン、映画・テレビ・ラジオ出演にいたるまで時代特有の「メディア」を縦横無尽に駆け抜けた、棟方の多岐にわたる活動を紹介する。

会場風景より、《厖濃の柵》(1972)
会場風景より、手前が「華厳松」(1944)

「華狩頌」「二菩薩釈迦十大弟子」などの代表作に加え、約60年ぶりの展示となる約3mの巨大な屏風「幾利壽當頌耶蘇十二使徒屛風」、ほとんど寺外で公開されることのなかった倭画の名作「華厳松」などの作品は見逃せない。高い人気を博した本の装幀や、長く大衆に愛された包装紙の図案などからは、優れたデザイナーとしての一面が垣間見れるだろう。

展示風景より、棟方志功《東北経鬼門譜》(1937)部分
会場風景より、《花矢の柵》(1961)

手がけた板画は、掌サイズの絵葉書から公共の建築空間の大壁画まで幅広い。板画の可能性を広げ、様々なメディアを通じて「世界のムナカタ」が社会現象になるまでの道程─「メイキング・オブ・ムナカタ」を辿ってみよう。

会場風景より
会場風景より、《観音経曼陀羅》(1938)



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