公開日:2023年5月17日

新宮晋+レンゾ・ピアノ。二大巨匠のコラボレーションを紹介する「Parallel Lives 平行人生 — 新宮晋+レンゾ・ピアノ展」が大阪中之島美術館で7月開催

日本とイタリアを代表する二大巨匠による、日本で進行中の最新プロジェクトも紹介。大阪中之島美術館にて7月13日〜9月14日開催

新宮晋《宇宙》(2016)+レンゾ・ピアノ「スタヴロス・ニアルコス財団文化センター」 (2008〜16) 2016 Photo by Denancé, Michel © Denancé, Michel

風・光・水をテーマに、自然のエネルギーの力で動く造形作品で知られる新宮晋。そして、ポンピドゥー・センター、IBMトラベリング・パビリオン、 チバウ文化センター、銀座メゾンエルメスなど名だたる建築をデザイン、設計してきたレンゾ・ピアノ。ともに数多くのプロジェクトを手がける二大巨匠の展覧会「Parallel Lives 平行人生 — 新宮晋+レンゾ・ピアノ展」が大阪中之島美術館で行われる。会期は7月13日〜9月14日。

新宮晋《はてしない空》(1994)+レンゾ・ピアノ「関西国際空港旅客ターミナルビル」(1988〜94)4F国際線出発フロア 2016 撮影:石田俊二(RPBW) © RPBW-Renzo Piano Building Workshop Architects

同じ年に生まれた2人

新宮は1937年大阪府豊中市生まれ。ピアノは1937年イタリア・ジェノバ生まれ。同じ年に生まれた2人の出会いは、関西国際空港旅客ターミナルビルの国際建築コンペにまで遡る。同ビル(1994年開港)の建築家に選ばれたレンゾ・ピアノが、1989年、「風のアーティスト」として注目を集めていた新宮晋に「見えない空気の流れを見えるようにしてくれないか」と依頼。国際線出発フロアの《はてしない空》が生まれたことを皮切りに、30年余りのあいだに2人は世界中で数多くのプロジェクトをともに進めていった。

レンゾ・ピアノ「関西国際空港旅客ターミナルビル」(1988〜94) 1994 © Fondazione Renzo Piano © Kansai Airports © Kawatetsu

本展では、「風」という共通テーマを持つ2人による緻密に造形された模型やプロトタイプのほか、インタラクティブ作品を手がけるイタリアのグループ、 スタジオ・アッズーロが2人のスケッチや設計図、写真をコラージュした映像を巨大サイズで投影する。

コラボレーションに加え、各々の活動にもフォーカス。新宮は《自由の翼》《月の舟NY》《空のこだま》ほか、「風のアーティスト」としての象徴的な作品を展示。

新宮晋《コロンブスの風》(1992)+レンゾ・ピアノ「ジェノヴァ港再開発」(1985〜92) Photo by Basilico, Gabriele © RPBW-Renzo Piano Building Workshop Architects

前衛的でありながら、建物の内を外の境界線を取り去り、その場所の風土との調和を重んじるデザインや設計で世界中にファンを持つピアノは、斬新な傑作建築の数々を、貴重な模型や資料、映像で詳しく紹介する。

新宮晋《宇宙に捧ぐ》(2001)+レンゾ・ピアノ「銀座メゾンエルメス」(1998〜2006) Photo by Denancé, Michel © Denancé Michel

共通テーマは「風」

タイトルの「Parallel Lives(パラレル・ライブス)=平行人生」とは、1〜2世紀のギリシャの哲学者プルタルコスが、多数の共通した性格や人生を送った2人の偉人を比較した列伝のタイトルに由来する。

本展の会期中には86歳を迎える2人の日本で進行中の最新のプロジェクトも紹介。いまなお衰えぬ2人の創造の世界を姿を見つめたい。

新宮晋とレンゾ・ピアノ、2022年ジェノヴァ RPBWにて 撮影:石田俊二(RPBW) © Renzo Piano Foundation

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