
会場風景
国立科学博物館で特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」が開かれている。会期は10月12日まで。NHKの自然番組『ダーウィンが来た!』との共同企画で、科博が所蔵する標本や資料、研究成果に、番組が長年撮りためた映像が加わる。主題は、いきものが環境に適応する過程で身につけた「生き残り術」。監修には科博の脊椎動物、無脊椎動物、昆虫、古生物の研究者が名を連ねる。
序章は、いきものではなく環境に焦点を当てる。地球の表面はおよそ7割が水、残る3割が陸で、このふたつの世界は物理的な性質がまったく異なる。陸には風と雨があり、水中には海流と潮汐がある。温度も場所ごとに変わるなかでいきものは、酸素と水とエネルギー源を手に入れ、子孫を残してきた。コンクリートに覆われた都市を取り上げた展示もあり、そこに適応して生き抜く種を、無視できない存在であることを展示する。
続く第1章のテーマは五感。視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚の5つを、いきものごとに比べていく。哺乳類の多くは進化の過程で青と緑を見分ける二色型色覚になった。森で暮らす霊長類は緑の中から赤みを帯びた果実を探す必要があるため、赤が加わった三色型を獲得している。魚類、両生類、爬虫類、鳥類の多くは、さらに紫を加えた四色型だ。昆虫は数十から数万の「個眼」が集まった複眼をもち、動くものをとらえる力に長けている。


聴覚では耳小骨の数が比較のポイントになる。爬虫類と鳥類は鼓膜とひとつの耳小骨で内耳へ音を伝える。哺乳類は魚類の顎に由来する3つの骨、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨で振動を送る。昆虫は脚や腹部にある鼓膜と触角を使い、水中の無脊椎動物は体全体で水の波動を受け止める。
味覚は甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の5つ。糖分やエサ生物を探すためだけでなく、毒を苦味として、腐敗を酸味として避けるためにも働く。感じ取る部位は舌に限らない。全身で、あるいは触角や脚で味わういきものもいる。
