台北市立美術館(TFAM)は、第14回目となる「台北ビエンナーレ2025」を2025年11月1日〜2026年3月29日に開催する。副題を「Whispers on the Horizon(地平線のささやき)」とし、54組のアーティストが参加することを発表した。
ハンブルガー・バーンホフ現代美術館ディレクター陣である、サム・バーダウイルとティル・フェルラスのキュレーションにより、世界35都市から集まったアーティストによる33の新作やサイト・スペシフィックなインスタレーションが展示される予定だ。

台湾の歴史は、植民地支配、アイデンティティの変遷、政治的変革によってかたち作られてきた。ビエンナーレではこの背景をもとに「切望(Yearning)」をテーマとし、たんなる欲望を超えた、満たされることのない普遍的な感情を探求する。
台湾にまつわる文学や映画の象徴的なオブジェクト(人形、日記、自転車)を取り上げ、それらが持つ歴史的な意味を掘り下げる。参加作家として、モナ・ハトゥム(イギリス/レバノン)、ワン・ヤオイ(台湾)、ナリ・ワード(ジャマイカ/アメリカ)、ジェレミー・ショウ(カナダ)など、世界中から多様なバックグラウンドを持つアーティストが集う。


CTBC芸術文化財団は、台湾の現代アートの発展を支援するため、3回連続でビエンナーレの主要スポンサーを務める。また、シャネル(CHANEL)も支援し、国際的なアートコミュニティの発展に貢献する。


台北ビエンナーレ2025は、私たちが持つ「切望」の感情をアートを通して可視化し、記憶と未来が交差する空間を創り出すことを目指す。展覧会は一つの答えを提示するのではなく、過去と現在、そして未来をつなぐ「ささやき」として、鑑賞者の心に残るだろう。