公開日:2023年11月10日

ワタリウム美術館が、2ヶ月間劇場になる!? 梅田哲也の個展「wait this is my favorite part   待ってここ好きなとこなんだ」が12月から開催

ワタリウム美術館では初となる、パフォーマンス公演のようなツアー型展覧会

展覧会メインヴィジュアル

ワタリウム美術館では初となる梅田哲也の個展「wait this is my favorite part   待ってここ好きなとこなんだ」が開催される。1990年9月にプライベート・ミュージアムとして開館したワタリウム美術館そのものを主役としたツアー型の展覧会だ。会期は12月1日〜2024年1月14日と1月16日〜28日の2期に分かれており、1期と2期で展示内容が変化する。

newfune 23 Photo by Nakao Bibi

現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する梅田哲也。これまでに回遊型の個展《O才》(2014)から続く一連の作品や、船で夜の水路を巡る《入船(ニューふね)》(2015-)などの作品を発表してきた。一方で、パフォーマンスとして、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表してきた。

Photo by Kotaro Konishi

展示作品はワタリウム美術館の建築的な側面に焦点を当てて制作され、これまで展示室として使用されていなかった部屋が初公開となる。

Teiden EXPO 2009 Installation view

本展の特長は、ワタリウム美術館を劇場として舞台公演が行われる点にある。観客はツアーの進行中ところどころで登場するキャストの行動に誘導されながら、施設内の展示室やバックヤードを巡り、日常の風景を異化させる仕掛けに出合う。少人数ごとに時間差で出発する約50分間のツアーは、美術館の建設以前や建物に刻まれた行動の痕跡を辿りながら、鑑賞行為のタイムラインと立体的に交差する

工事中のワタリウム美術館2階展示室 1990

自宅の改装から始まった小さなスペースは、世界のアートの中継点として活躍する美術館となっていきました。(中略)
和多利一家の、自分が生きてきた場所で大好きなものを知ってほしいという根源的な動機に触れて、自分もこの美術館のなかで自分なりの好きを探そうと思いました。そして、来館する人たちにもそれぞれのお気に入りを見つけてもらおう。 これはそういう展覧会です。

ープレスリリースの梅田哲也コメントより

関連イベント「favorite part」も充実。12月2日、15日、22日、2024年1月12日の4回に渡って、ワタリウム美術館の和多利恵津子・和多利浩一やアートディレクターの浅葉克己、現代アートチーム 目[mé]、音楽家の角銅真実が出演し、梅田哲也との対談を繰り広げるトークイベントだ。予約受付開始は、11月17日12:00(予定)。詳細・申込みは公式ホームページから確認したい。

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