
アンナ=レーナ・エムデーン ソンマルロヴ(夏休み) 制作年不詳 サラ・アクステイリウス蔵
これまで注目される機会の少なかったスウェーデンのテキスタイルデザインに焦点をあてる「スウェーデン・テキスタイル 暮らしと自然に息づく北欧デザイン」が、9月19日から11月15日まで世田谷美術館にて開催される。

自然や暮らしに密接したモチーフや明るい色彩、モダンななかにもかわいらしさを感じさせる親しみやすいパターンなどによって、スウェーデンの人々の日常に喜びを与えてきた同国のテキスタイルデザイン。日本でも流行の域を超えて定番となった北欧デザインのなかでも、じつは20世紀前半に「北欧モダン」の国際的な認知を先導したのがスウェーデンだという。
本展では、20世紀半ばの技術革新によって花開いた、プリント・テキスタイルのデザインの知られざる魅力を、モチーフ、デザイナー、暮らしとの関わりという3つの視点からひもといていく。スウェーデン在住の個人コレクター、サラ・アクステイリウスの所蔵によるヴィンテージ・テキスタイルのコレクションを中心に、スウェーデン国内の美術館やアーカイヴの協力を得て、約200点もの貴重な作品と関連資料が紹介される。

展示はプロローグ、エピローグのほか、スウェーデンのテキスタイルのグラフィカルな魅力に迫る「第1章 モチーフが織り成す物語」、スウェーデンのテキスタイルデザインをけん引した6名の重要なデザイナーに注目する「第2章 デザインを紡ぐ人々」、テキスタイルデザインと深く紐づくインテリアとファッションを紹介する「第3章 暮らしのなかのテキスタイル」の3つの章によって構成される。
第2章で紹介される6名のデザイナーには、イェータ・トレーゴード(1904〜84)、アストリッド・サンペ(1909〜2002)、ヴィオラ・グローステン(1910〜94)、イーネス・スヴェンソン(1932〜2005)、スヴェン・フリステット(1940〜2025)、チキ・マットソン(1947〜)が名を連ねている。

日照時間が短い冬季も室内で楽しい時間を過ごすために活躍してきた明るい色彩のテキスタイル、とりわけスウェーデンのプリント・テキスタイルの黄金期といわれるミッドセンチュリーに生まれた布たちが、インテリアやファッションの新しいヒントになるかもしれない。