
会場風景
これまで注目される機会の少なかったスウェーデンのテキスタイルデザインに焦点をあてる「スウェーデン・テキスタイル 暮らしと自然に息づく北欧デザイン」が、世田谷美術館で開催されている。会期は11月15日まで。
自然や暮らしに密接したモチーフや明るい色彩、モダンでありながらかわいらしさを感じさせる親しみやすいパターンなどによって、スウェーデンの人々の日常に喜びを与えてきた同国のテキスタイルデザイン。日本でも流行の域を超えて定番となった北欧デザインのなかでも、認知が先行しているのはフィンランドやデンマークのデザイナーやブランドだが、20世紀前半に「北欧モダン」の国際的な認知を先導したのは、じつはスウェーデンだという。
「冬が長い北欧は1日のなかでも暗い時間帯が多く、そんななかで色とりどりのテキスタイルが気持ちを明るくさせ、暮らしにぬくもりや幸福感を与えていた。今回の展覧会をご覧いただくことで、その魅力が伝わるのではないかと思う」と担当学芸員の加藤絢(世田谷美術館)は話す。

本展の見どころは、約200点に及ぶスウェーデン国内の貴重なコレクション。その半数が、スウェーデン在住の個人コレクター、サラ・アクステイリウスが30年以上にわたり個人的に収集してきたヴィンテージ・テキスタイルのコレクションから構成されている。アクステイリウスは、家族で夏を過ごすコテージで使用していたテーブルクロスの鮮やかさがふと目にとまったことをきっかけに、テキスタイルの収集を始めたという。彼女が収集を始めた当初は、作品にデザイナー名の記載がなく、情報を得る方法すらなかった。しかし、デザイナー本人やその親族の協力を得ながら、自宅に所蔵する2000点以上のファブリックすべてについて作者を特定。現在も、ファブリックを生み出したテキスタイルアーティストたちに光をあてる活動を続けている。
そんな知られざるスウェーデンのテキスタイルの魅力に迫る展覧会の、プロローグと全3章、そしてエピローグから成る展示内容を見ていこう。
