公開日:2023年3月23日

ポンピドゥーセンターの傑作50点以上が初来日。「キュビスム展—美の革命」が国立西洋美術館と京都市京セラ美術館で開催

ピカソ、ブラック、ドローネー、シャガール、デュシャン、コルビュジエ、フェルナン・レジェ、モディリアーニら40作家の作品約130点が集結

コンスタンティン・ブランクーシ 眠れるミューズ 1910 ブロンズ 16x27.3x18.5cm ポンピドゥーセンター(1963寄贈) Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne - Centre de création industrielle © Centre Pompidou, MNAM-CCI/Adam Rzepka/Dist. RMN-GP

国内で約50年ぶりとなる大キュビスム展

世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターの所蔵品から、キュビスムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品を紹介する「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」が、国立西洋美術館で今年10月3日から2024年1月28日まで開催される。同展は、来年3月に京都市京セラ美術館へも巡回する。

展覧会チラシ

20世紀初頭、パブロ・ピカソジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術史に大きな変革をもたらした美術運動だ。

その名称はブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来し、西洋絵画の伝統的な技法であった遠近法や陰影法による三次元的な空間表現から脱却し、幾何学的に平面化されたかたちによって画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス以来の捉え方から解放した。抽象芸術、ダダ、シュルレアリスムといった多様な表現形式への道も開いたキュビスムは、現在に至る芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしている。

フェルナン・レジェ 婚礼 1911-1912 カンヴァスに油彩 257x206cm ポンピドゥーセンター(1937寄贈) Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne - Centre de création industrielle © Centre Pompidou, MNAM-CCI/Philippe Migeat/Dist. RMN-GP

日本でキュビスムをメインテーマに掲げる大規模展覧会はおよそ50年ぶりのこと。今回の展覧会では、50点以上の日本初出品作品を含む40名のアーティストの絵画、彫刻、素描、版画、映像、資料など約130点が来日する。

ピカソ12点、ブラック15点というまとまった数の作品からは、絶えず変化を続けながら展開した2人の画家によるスリリングなキュビスムの造形実験を追体験できる。ブラックの重要作である《大きな裸婦》、ポンピドゥーセンターの代表的なコレクションであるピカソの《肘掛け椅子に座る女性》も見逃せない。

フアン・グリス 朝食 1915年10月 カンヴァスに油彩・木炭 92x73cm ポンピドゥーセンター(1947購入) Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne - Centre de création industrielle © Centre Pompidou, MNAM-CCI/Philippe Migeat/Dist. RMN-GP

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