
会場風景 © Studio Ghibli
京都市京セラ美術館で、スタジオジブリと日本テレビ企画制作による「禅とジブリ」京都展が開幕した。会期は12月6日まで。
展示は全5章。前半の1~3章では、スタジオジブリの立体造形や映画の名セリフ、キャラクターに禅語を添えた軸作品などを中心に賑やかに見せ、後半の4、5章では、ゆかりの人物の書画や映像、資料展示などを通し、禅的なものの見方をわかりやすくひもとく。記事ではプレス内覧会と開会式の様子をまじえ、その内容をレポートする。
本展はスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫と、細川晋輔、横田南嶺、玄侑宗久ら3人の禅僧による対談をまとめた著作『禅とジブリ』(2018、淡交社)をきっかけに生まれた。

スタジオジブリの作品には、善悪を二分しない多義性、答えを急がない余白、ものごとを分からないままに受け取る姿勢を感じることができる。これは、禅が大切にする「分けない」「決めつけない」「ありのまま観る」という思想と深く響き合うものだという。
本展を企画したスタジオジブリのイベントプロデューサー、橋田真は「円覚寺の横田管長に『禅とは何か』とお聞きしたところ、『難しいが、強いて言うならあっちの世界とこっちの世界、つまり彼岸と此岸の「間」のようなところをいう』と。ジブリ作品にも、トンネルや扉をくぐってあちらとこちらの世界を行き来する構造のものが多く、とても近いと感じた」。と、着想の背景を語った。

第1章は「あっちの世界、こっちの世界」と題し、観客は映画『君たちはどう生きるか』(2023)に登場する青サギの出迎えを受け、映画の「時の回廊」を模した空間へと足を踏み入れる。このように本展は『君たちはどう生きるか』の世界観を中心に、鈴木や禅僧らの言葉から「禅とは何か」を問いかけてゆく構成をもつ。
「企画段階で考えたのは、ジブリ映画のなかからいちばん『禅』的な映画をひとつテーマにして、深掘りすることでした。そのなかで、あっちの世界とこっちの世界を行き来する側面が強い本作を選んだ」(橋田)

