公開日:2024年2月19日

森美術館でシアスター・ゲイツ展「アフロ民藝」が4月24日から開催へ。日本文化と黒人文化の新しいハイブリッドを描く

陶芸、建築、音楽で、壮大なインスタレーション。世界が注目するブラック・アーティストが日本初個展。会期は、4月24日〜9月1日

シアスター・ゲイツ 展示風景:「シアスター・ゲイツ展:土の説教」ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン) 2021-2022 撮影:テオ・クリステリス 画像提供:ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン)

シアスター・ゲイツ展「アフロ民藝」が、森美術館で4月24日〜9月1日に開催される。1973年シカゴ生まれのシアスター・ゲイツは、彫刻と陶芸作品を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなどメディアやジャンルを横断し、活動で国際的に高く評価されているアーティストだ。本展は、ゲイツの日本初、そしてアジア最大規模の個展。背景にある黒人史や黒人文化と併せて包括的に紹介する本展は、国内では過去に例を見ないスケールでの試みでもある。

シアスター・ゲイツ・スタジオ(シカゴ)にて 撮影:クリス・ストロング
シアスター・ゲイツ ザ・リスニング・ハウス 2022 展示風景:国際芸術祭「あいち2022」 撮影:ToLoLo studio ※参考図版

1960年代にアメリカで行われた、黒人の公民権の適用と人種差別の撤廃を訴えた公民権運動「ブラック・イズ・ビューティフル」運動から、ゲイツが思い描く未来まで、黒人史がもたらした現代文化への影響を紹介する。なかでも、ゲイツの建築プロジェクトとして有名な「リビルド・ファウンデーション」(2009)も資料で紹介される。これは、平等な権利を与えられなかった黒人が多数を占めるシカゴのサウス・サイド地区で、廃墟となった40軒以上の建物を、誰もがアートや文化活動に参加できる空間に作り変えてきた。

シアスター・ゲイツ ストーニー・アイランド・アーツ・バンク(外観) 2012 撮影:トム・ハリス 画像提供:ホワイト・キューブ
シアスター・ゲイツ 展示風景:「シアスター・ゲイツ展:ブラック・イメージ・コーポレーション」プラダ財団オッセルヴァトリオ(ミラノ) 2018-2019 撮影:デルフィーノ・シスト・レニャーニ、マルコ・カッペレッティ

「『アフロ民藝』は、西洋文明が浸食するなかで、伝統や歴史を守り継ぐために日本で起こった民藝運動と、米国におけるブラック・パワー運動、黒人解放運動という2つの重要な運動を融合させる試みだ」と、ゲイツはステートメントで述べている。ゲイツの多角的な実践を通して、グローバルなアートシーンで近年関心が高まっているブラック・アートの魅力に迫りたい。

シアスター・ゲイツ へヴンリー・コード 2022 レスリースピーカー ハモンドオルガン「B-3」 サウンド 撮影:ジム・プリンツ・フォトグラフィー

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