公開日:2026年7月30日

東京都庭園美術館で国内初のリトアニア手工品展「愛を紡ぎ、祈りを刻む―リトアニアの手仕事―」が来年開催へ。リトアニアに息づく信仰と世界観を紹介

会期は2027年1月16日〜3月28日

メインヴィジュアル

東京都庭園美術館で、リトアニアの多種多様な手仕事を紹介する国内初の展覧会「愛を紡ぎ、祈りを刻む―リトアニアの手仕事―」が開催される。会期は2027年1月16日から3月28日まで。

本展は、リトアニア国立博物館、リトアニア国立美術館、国立M.K.チュルリョーニス美術館の全面的な協力のもと、日本ではなかなか見ることのできないリトアニアの多様な手工品や、十字架、聖像、版画など信仰に根ざした品々を紹介する。リトアニアは、ヨーロッパで最後にキリスト教を受け入れた国のひとつ。何度も他国の支配を受け、ときには母語さえ奪われた時代もあった。そうした背景のもと、手工品の装飾やキリスト教由来の十字架、聖像に見られる太陽や樹木、動物などのモチーフには、古代バルトの人々の生命循環の世界観が浮かび上がる。

本展の見どころのひとつが、リトアニアの手仕事だ。かつて女性の必需品だった糸紡ぎのための板「ヴェルプステ」は、男性が装飾を施して愛する女性に贈り、女性は紡いだ糸で織った布を返すというように、愛情を伝え合うコミュニケーションの役割も担っていた。木製の「タオル掛け」もまた、実用品ではなく、日本の神棚のように儀礼的な意味を持っていたという。愛情深く作られたリトアニアの多種多様な手工品を、じっくりと知ることができる。

新館ギャラリーには、祈りに関する品々が並ぶ。信仰心の篤いリトアニアでは、どの家にもキリストの磔刑像が掛けられており、木製や鉄製の十字架の造形には、植物や蛇などの生き物や独特なシンボルが刻まれている。会場となる旧朝香宮邸(本館)は、日本のアール・デコ建築を代表する歴史的建造物であり、近代工業技術と高度な装飾美術が結実した、時代の美意識を象徴する空間だ。近代が生み出した装飾美術の極致と、名もなき人々の手から生まれた素朴な造形——二極的な価値観が交差するその場で、見る者は手仕事の豊かさをあらためて見つめ直すことになるだろう。

Art Beat News

Art Beat News

Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。

Tokyo Art Beat Mail Magazine

アートの最新情報を、毎週お届けします。
登録は無料です。