公開日:2022年12月5日

服飾から建築を考える。髙橋大雅が蒐集した1900年代のヴィンテージ・コレクションが京都「HOSOO GALLERY」で公開

「Texture from Textile Vol.2 時間の衣―髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」は、HOSOO GALLERYで2022年12月3日から23年3月12日まで開催

HOSOO GALLERYで展示されている髙橋大雅コレクション

服飾が伝える20世紀初頭の時代精神

HOSOO GALLERY(京都)で「Texture from Textile Vol.2 時間の衣―髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」が開催中だ。同展では、今年4月に27歳の若さで逝去したデザイナー・髙橋大雅が蒐集した1900年代初頭の服飾資料コレクションが公開される。会期は2022年12月3日から23年3月12日まで。担当キュレーターは井高久美子。 

Texture from Textile Vol.2: 時間の衣 髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション

「織物から建築へ」をテーマに、織物(テクスチャー)に端を発した、工芸、アート、デザイン、建築にまつわる思想の変遷を20世紀初頭に立ち返り研究活動を展開するリサーチプロジェクトである「Texture from Textile」。その第二弾となる今展では、1900年代初頭を中心にアメリカ・ヨーロッパを中心に生産された衣服のコレクションを通じて、同時代の服飾に焦点を当てる。

服飾史は建築から乖離したものではなく、1900年代初頭のヨーロッパでは装飾美術運動などの影響を受け、テキスタイルを介してファッションと室内装飾が不可分なものとして扱われてきた。髙橋が集めた当時の衣服は、大量生産とデザインといった様々な問題提起のなかで生産されてきたものであり、経済的合理性の追求によってもたらされた新しい時代の美意識の一つの到達点とも言えるだろう。

中央のパンツは、紳士の立ち姿が美しくなるように作られたもの。なんと座ると破れる。

髙橋の残した服飾資料を展示することで、急逝した新進気鋭のデザイナーの思考を辿るとともに、20世紀に起きた装飾をめぐる美意識の変革について、衣服の視点から改めて焦点を当てる今展。この開催に合わせて、2021年にオープンした京都・祇園の総合芸術空間「T.T」京都建仁寺塔頭両足院でも関連展覧会が開催されている。両展示ともに2022年12月11日まで。

建仁寺塔頭両足院

 

総合芸術空間「T.T」風景

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