公開日:2023年12月23日

「VOCA展2024」のグランプリは大東忍に決定。奨励賞は上原沙也加と片山真理

『VOCA展2024』の選考結果が発表。「VOCA賞」受賞は愛知県出身の大東忍

大東忍 風景の拍子 麻布・パネルに木炭

『VOCA展2024』において、VOCA賞1名、VOCA奨励賞2名、VOCA佳作賞2名が選考会によって決定した。また大原美術館賞1名が同美術館独自の選考を経て決定した。

The Vision of Contemporary Artの頭文字をとってVOCA(ヴォーカ)展と呼ばれる本展は、全国の美術館学芸員、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方法により、毎年全国各地から未知の優れた才能を紹介している現代美術展。

12月17日、VOCA展実行委員会および公益財団法人日本美術協会上野の森美術館は、『VOCA展2024』(TheVisionofContemporaryArt/特別協賛:第一生命保険株式会社)各賞の選考会を実施。

出品作家31名による作品の中から、グランプリとなるVOCA賞に大東忍の《風景の拍子》を選出した。

大東忍 風景の拍子 麻布・パネルに木炭

大東は秋田県秋田市在住(愛知県出身)。ひと気のない街や辺境地を歩き、夜の暗がりのなかで踊り、その風景を描くという実践を繰り返してきた。受賞作《風景の拍子》は秋田の新屋地域の風景を題材としている。木炭で丹念に描かれた黒白の画面には吸い込まれそうな深い奥行きと広がりがあり、ありふれた風景のなかに記憶や痕跡、時間といった見えないものを見せる力が高く評価された。
推薦者は石倉敏明(秋田公立美術大学准教授人類学者)。

選考委員は、植松由佳(委員長/国立国際美術館学芸課長)、荒木夏実(東京藝術大学准教授)、川浪千鶴(インディペンデント・キュレーター)、丹羽晴美(東京都現代美術館事業企画課長)、前山裕司(新潟市美術館特任館長)。

そのほかの各賞は、「VOCA奨励賞」に上原沙也加《幽霊たちの庭》と、片山真理「red shoes」シリーズ、「VOCA佳作賞」に佐々瞬《そこに暮らす人々は自らの歴史を記した》と笹岡由梨子《Animale /ベルリンのマーケットで働くクマ》が選出された。

また大原美術館賞には上原沙也加 《幽霊たちの庭》が選出された。

受賞作品を含め全31作品を一堂に展示する『VOCA展2024』は、2024年3月14日から3月30日まで、上野の森美術館(東京都台東区)にて開催される。