
会場風景 撮影:編集部
香港を拠点とするアーティスト、ウォレス・チャンの大規模個展「Wallace Chan:Vessels of Other Worlds」が、中国・上海の龍美術館 西館(ロン・ミュージアム、Long Museum West Bund)で開催されている。
ウォレス・チャンは、1956年中国生まれ。16歳で宝石彫刻家としてのキャリアをスタートさせ、以来半世紀以上にわたり、ジュエリーアートや彫刻、インスタレーションなど多岐にわたる作品を発表してきた。とりわけチタンを素材とした芸術的実践のパイオニアとして研究と試行錯誤を重ね、従来の彫刻のアプローチに挑み続けている。近年は上海やヴェネチア、ロンドン、香港などで個展を開催し、作品は上海博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館、大英博物館、ボストン美術館などに収蔵されている。
作家の70歳の誕生日という節目にあわせて開催される本展は、ジュエリーと彫刻のあいだを越境して活動してきたチャンの歩みをたどるものだ。5月に開幕した「第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」にあわせてヴェネチアのサンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会で行われている同名展と対をなし、「誕生・成長・再生」の絶え間ないサイクルと、変容や記憶、精神性といったテーマを探求する大型彫刻展となっている。キュレーターはジェームズ・パットナムが務める。

会場の龍美術館 西館は、石炭埠頭の跡地に建てられた私立美術館。コンクリート打ちっぱなしの巨大空間で展開される本展の中核をなすのは、それぞれ高さ7m、8m、10mにおよぶチタン製の「器(vessel)」だ。展示は複数のギャラリーにまたがって展開され、来場者は過去3回のヴェネチア・ビエンナーレにあわせて発表された「Titans」「Totem」「Transcendence」の各プロジェクトを鑑賞したのち、この3つの巨大な彫刻と出会うことになる。
