最終更新:2022年4月14日

アートから幸福・心・ケアを考える展覧会が、森美術館で6月からスタート

オノ・ヨーコ、ヴォルフガング・ライプ、小泉明郎、飯山由貴ら16組が出品

ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 第9番 世界と一緒に回らなかった日 2007 ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション 8分40秒 Courtesy:Monitor, Rome; Grimm, Amsterdam; Luhring Augustine, New York 撮影:ベン・ゲラーツ

幸せって何? 16組の作品が示すウェルビーイング

森美術館の次回展覧会「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」の詳細が発表された。会期は2022年6月29日から11月6日まで。

新型コロナウィルスによる地球規模のパンデミックによって、人々の生活や心境は大きく変化した。これまでも災害や事件が起こるたび、人間は幸福や痛みについての悩みや思考を重ねてきたが、この数年間でそのリアリティはかつてなく切実なものとなっているだろう。同展では、心身ともに健康である「ウェルビーイング」の状態を、アートを通して考えるものとなる。

ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 第9番 世界と一緒に回らなかった日 2007 ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション 8分40秒 Courtesy:Monitor, Rome; Grimm, Amsterdam; Luhring Augustine, New York 撮影:ベン・ゲラーツ
《ヘーゼルナッツの花粉》を展示するヴォルフガング・ライプ、豊田市美術館(愛知) 2003 Courtesy of ケンジタキギャラリー(名古屋、東京) 撮影:怡土鉄夫 ※参考図版

参加作家は16組。自宅の周りを何千周も走り続けることで日々の行為の積み重ねを壮大な営為に編み上げていくギド・ファン・デア・ウェルヴェ。花粉、蜜蝋、牛乳といった自然由来の素材をシンプルに提示するヴォルフガング・ライプ。ドメスティック・バイオレンスをテーマに、加害者・被害者双方からのインタビューを取材した新作を発表する飯山由貴。催眠術を用い、言語に頼った人間の認識の脆弱性を明らかにしながら、心の回復の可能性も示す新作の小泉明郎

飯山由貴 海の観音さまに会いにいく 2014 ビデオ、スライド 撮影:宮澤 響 ※参考図版

他者からの評価のためでなく自分自身のために制作を重ねるアーティストも、いかに表現し、いかに生きるかについての深い示唆を与えるだろう。堀尾貞治とその妻である堀尾明子ロベール・クートラス金崎将司らの作品から、つくることの衝動やエネルギーを感じたい。

ロベール・クートラス 僕の夜のコンポジション(リザーブカルト) 1970 ボール紙に油彩 約12 × 6 cm(各) 撮影:内田芳孝+岡野 圭、片村文人

このほかにも、内藤正敏青野文昭金沢寿美モンティエン・ブンマーツァイ・チャウエイが参加し、過去や自然と照応した表現のかたちを示す。

ちなみに、展覧会タイトルにある「地球がまわる音を聴く」とは、オノ・ヨーコが詩集『グレープフルーツ』に収めたインストラクション(指示書き)のひとつ。シンプルでささやかな言葉が、それに触れた者の可能性や想像力を後押しするきっかけになるというアーティストからのメッセージは、同展が示すウェルビーイングの本質を示すものとも言えるだろう。

オノ・ヨーコ  アース・ピース 1963春 オフセット・プリント オノ・ヨーコ『Grapefruit』(Wunternaum Press、東京、1964)より

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

会場:森美術館
会期:2022年6月29日〜11月6日
開館時間:10:00〜22:00(火のみ17:00まで)
休館日:会期中無休
https://www.mori.art.museum/jp/

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