公開日:2025年5月1日

いま、関西で見たい展覧会5選(大阪・京都・奈良ほか):「超 国宝」展、サンリオ展、草間彌生の版画展など

毎月1回更新。編集部が注目する、関西エリアで開催中の展覧会をピックアップ。気になる展覧会はお見逃しなく

「落語であーっ!と展 そこまでやっちゃう? 落語と美術の無理矢理コラボレーション」(滋賀県立美術館、滋賀)

本展は、落語のストーリーを多彩な美術作品で紹介するというユニークな企画。美術館が所蔵する山元春挙や小倉遊亀などによる日本画、志村ふくみの染織、ジョージ・シーガルなどのアメリカ美術、小幡正雄などのアール・ブリュット作品によって落語の噺をたどる。落語「近江八景」では野村文挙《近江八景図》を、「動物園」では岸竹堂《虎》や大辻良介《ライオン》を展示。滋賀ゆかりの演目である「近江八景」のほか、「猫の皿」「抜け雀」「あたま山」など、様々な落語噺の世界をコレクション作品とともに楽しむことができる。落語監修は滋賀県出身の三遊亭わん丈が担当している。

会場:滋賀県立美術館
会期:4月8日〜6月8日

「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」(京都市京セラ美術館、京都)

草間彌生(1929~)の版画の世界を紹介する展覧会。草間は、1993年の第45回ヴェネチア・ビエンナーレにより世界での評価を高めるが、その前段で積極的に版画制作に取り組んだことも、現在の評価につながる大きな原動力となった。1979年に初めて版画作品を発表した当時は華やかなモチーフが色彩豊かに表現され、近年は富士山を主題に浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど特徴的な作品を発表している。本展では、世界最大の草間コレクションを持つ松本市美術館が所蔵する340点に及ぶ版画作品から厳選した作品に作家蔵の作品を加え、草間彌生の版画芸術の魅力と軌跡を展観する。

会場:京都市京セラ美術館
会期:4月25日〜9月7日

「すべてを描く萬絵師 暁斎 ―河鍋暁斎記念美術館所蔵」(中之島香雪美術館、大阪)

江戸から明治時代前半に活躍した絵師・河鍋暁斎(1831〜89)は、7歳で歌川国芳(1797〜1861)から絵を学び、10歳で狩野派に入門、19歳で修業を終えた。神仏、美人、風俗、鳥獣など様々な画題をユーモアや風刺、妖艶さも伴う画風で、肉筆画、版画、版本などの形式を問わず描いた。大阪で初の河鍋暁斎展となる本展では、暁斎の曾孫・河鍋楠美が創設した河鍋暁斎記念美術館の所蔵作品を中心に、暁斎旧蔵の「戯画図巻」や香雪美術館が所蔵する狩野派、中国絵画作品なども展示。正統派絵師としての暁斎を賛える機会を創出する。

会場:中之島香雪美術館
会期:4月26日〜6月1日

「サンリオ展~ニッポンのカワイイ文化60年史」(神戸ゆかりの美術館、兵庫)

ハローキティやマイメロディなど、多くの人気キャラクターを生み出してきたサンリオの60年を超える歴史を、「カワイイ」文化としてたどる展覧会。2021年から全国各地を巡回しており、兵庫で初開催される。会場ではキャラクターが生まれた背景やどのようにしてキャラクターが育っていったのかという点にもスポットを当て、貴重な原画や関連資料、懐かしい当時のグッズなど数百点の展示物を紹介。サンリオキャラクターに着想を得た現代アーティストとのコラボ作品の出展も予定されている。

会場:神戸ゆかりの美術館
会期:4月19日〜6月29日

「超 国宝―祈りのかがやき―」(奈良国立博物館、奈良)

「超 国宝―祈りのかがやき―」会場風景 撮影:編集部

奈良国立博物館の開館130周年を記念して行われる、同館初の大規模な国宝展。「超国宝」という展覧会タイトルには、「とびきり優れた宝」という意味とともに、時代を超え先人たちから伝えられた祈りや日本文化を継承する人々の心もまた、かけがえのない宝であるという思いが込められている。会場では、同館や奈良の歴史に関わりの深い国宝を中心に、未来の国宝ともいうべき名品も紹介。約110件の国宝、約20件の重要文化財を含む約140件の仏教・神道美術が展示される。

会場:奈良国立博物館
会期:4月19日〜6月15日

Art Beat News

Art Beat News

Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。