公開日:2025年10月1日

いま、関西で見たい展覧会5選(大阪・京都・兵庫ほか):大ゴッホ展、「リビング・モダニティ」、BIWAKOビエンナーレなど

毎月1回更新。編集部が注目する、10月に関西エリアで開催されている展覧会をピックアップ。気になる展覧会はお見逃しなく

いま、関西で見たい展覧会

「BIWAKOビエンナーレ2025 “流転〜FLUX”」(近江八幡旧市街ほか、滋賀)

「BIWAKOビエンナーレ」は、琵琶湖を中心に広がる、近江八幡旧市街地、長命寺、沖島などのエリアを舞台に行われるアートイベント。「地域再生」を目的のひとつに掲げており、地元にある空き家や古民家を会場として活用する。11回目となる今回のテーマは “流転〜FLUX”。国内外から約70組のアーティストが集結し、特徴ある多様な会場を自らの作品へと昇華させて、町の歴史と芸術が重なり合う空間を生み出す。総合ディレクターは中田洋子。

会場:近江八幡まちや倶楽部ほか
会期:9月20日〜11月16日

合田佐和子 + 川端健太郎「Chimeras」(ノナカ・ヒル京都、京都)

2016年に亡くなったマルチメディアアーティストの合田佐和子と、現代陶芸の作家・川端健太郎による2人展。展覧会タイトルの「キメラ」は、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態を表している。時代も活動領域もことなるふたりの作品が出会う本展では、身体性・装飾性・抽象性における美的共生に焦点を当て、両者の実践が織りなす不可思議な対話に浸ることのできる空間が展開される。レポート記事はこちらから。

会場:ノナカ・ヒル京都
会期:9月6日〜10月25日

「山王美術館コレクションでつづる 女性画家たち展」(山王美術館、大阪)

2009年のオープン以来、コレクションのみによる展覧会を開催してきた山王美術館。本展では、同館のコレクションから、2025年に生誕150年を迎える上村松園、生誕120年を迎える三岸節子、同じく生誕120年を迎える片岡球子、2026年に没後70年となるマリー・ローランサンという4人の女性画家の作品を展示する。今年、国連で「国際女性デー」が制定されて50年、日本では男女雇用機会均等法制定から40年という節目の年を迎えるにあたって企画された。

会場:山王美術館
会期:9月1日〜2026年1月31日

「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」(神戸市立博物館、兵庫)

今年から来年にかけて、日本国内でゴッホをテーマにした大規模展が相次いで開催されているが、本展は世界第2位のゴッホコレクションを誇るクレラー=ミュラー美術館の所蔵品を中心とした展覧会。2027年に開催する第2期とあわせた2部構成となる。第1期では、《夜のカフェテラス》をはじめとする名品の数々を展示。オランダ時代からアルルに至る画業前半を紹介し、誰もが知るファン・ゴッホになるまでをたどる。レポートはこちらから。

会場:神戸市立博物館
会期:9月20日〜2026年2月1日

「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」(兵庫県立美術館、兵庫)

1920年代から70年代にかけて、建築家たちが手がけた住宅をめぐる革新的な試みに着目する展覧会。当代の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、芸術性の向上を目指して設計された戸建ての住宅を、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考する。とくにル・コルビュジエやルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエらが手がけた14邸を中心に、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて、20世紀の住まいの実験を検証する。今年6月まで東京の国立新美術館で開催された際のレポートはこちら

会場:兵庫県立美術館
会期:9月20日〜2026年1月4日

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