公開日:2023年12月21日

『PERFECT DAYS』の映画監督ヴィム・ヴェンダースの展覧会「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」が、2024年2月1日から3月2日まで、N&A Art SITEで開催

鮮烈な色彩の電子絵画作品「Electronic Paintings」や映画『パリ、テキサス』で撮影したアメリカ中西部の風景写真「Written in the west」(1983)シリーズも展示。

ヴィム・ヴェンダース 少年 1991 紙 HDプリント 36.4×51.5cm © Wim Wenders/Kazutomo

ヴィム・ヴェンダースの展覧会「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」が、2024年2月1日から3月2日まで、N&A Art SITEで開催される。

ヴィム・ヴェンダース © Peter Lindbergh

ミュンヘン大学で映像制作を学んだヴィム・ヴェンダースのキャリアは、映画評論家から始まった。1967年から映画監督としての活動を開始し、1984年の「パリ・テキサス」でロードムービーを代表する映像作家として評判となった。今年の最新作『PERFECT DAYS』で主演を務めた役所広司が、第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞したことでも国内外から注目を集めている。

ヴィム・ヴェンダース ユニゾン 1991 紙 HDプリント 36.4×51.5cm © Wim Wenders/Kazutomo

また映画監督だけでなく、写真家としても有名だ。ポンピドゥーセンターでの『Written in the west』展(1983・フランス)を皮切りに、ビルバオ・グッゲンハイム美術館(2002・スペイン)、上海美術館(2004・中国)など、世界中の美術館で展覧会が開催されている。

NHK編集室で「夢のシークエンス」を制作するヴィム・ヴェンダースとショーン・ノートン 1991 撮影:御影雅良

ヴェンダースが「究極のロードムービー」と称する『夢の涯てまでも』(1991)のクライマックスシーンは、1990〜91年に東京のNHK編集室において、当時の最先端映像技術であったハイビジョン(Hi-Vision)で制作された。制作過程で見た事もない絵のような幻影が偶然発見され、ヴェンダースによって「夢のシークエンス」と名付けられた「Electronic Paintings」が本展で展示される。

ヴィム・ヴェンダース Sun dries, Las Vegas, New Mexico 1983 紙 ダイトランスファープリント 31×37cm

この鮮烈な色彩の電子絵画作品「Electronic Paintings」について、ヴェンダースは「我々が行ったのは、ひとつの画像(フレーム)を構成している何百万という画素(ピクセル)の電子媒体を、自由に解き放してみようという試みだった。もし画家と同じように、自らの自然と湧き上がる意思で、絵筆やチョーク、絵具を使うように電子媒体をコントロールした場合どうなるかという実験だった」と残している。

ヴィム・ヴェンダース Billboard painter's studio, Glendale, California 1983 紙 ダイトランスファープリント 31×37cm

ほかにも『パリ、テキサス』ロケ時にヴェンダースが撮影し、写真家としての氏の才能を知らしめたアメリカ中西部の風景写真「Written in the west」(1983)シリーズの展示も。会場では本映画制作時の貴重なドキュメントも展示され、当時の画期的な制作の様子や時代背景を窺うことができる。 

ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze

会期:2024年2月1日〜3月2日
12:00-17:00
定休日:日・月・祝
会場: N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6 / 東急東横線中目黒駅より徒歩5分)
企画:御影雅良
キュレーション:墨屋宏明
主催: DART株式会社、GCI BOOKS 協力: エヌ・アンド・エー株式会社
ウェブサイト:https://nanjo.com/wim_wenders_lucidgaze/
※展示作品は一部を除き販売いたします。
※作品のご購入は会場でのお申込制です(メール等でのお申込は頂けません)

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