日産自動車デザインセンターからキャリアをスタートし、人とテクノロジーの接点にかかわる数々のプロダクトデザインを発表してきたデザインエンジニアの山中俊治。今年度で東京大学生産技術研究所の教授職を退職する山中と、彼の「山中研究室」から羽ばたいた卒業生24名らの活動を概観する「未来の原画」展が東京大学駒場リサーチキャンパスS棟で開催中だ。会期は2022年11月17日から12月4日まで。
2008年に慶應義塾大学SFCに着任した山中は、同学内で「山中俊治研究室」をスタート。13年から着任した東京大学でもその理念を引き継ぎ、研究室を主導してきた。大学教授の退任時には最終講義が行われるの通例だが、山中の場合は展覧会形式での「最終展示」を実施する。
本展覧会では、研究の原点である山中のスケッチの原画と、それらに導かれて制作されたプロトタイプ30点以上を実機展示するほか、初公開となる装着アーム《自在肢》のプレゼンテーションなども行われている。
デザイナーやエンジニアだけでなく、アーティスト、漫画家、コピーライター、イラストレーター、発明家など多彩な卒業生を輩出してきたのも同研究室の特徴。展覧会では卒業生のうち24名や現役生の作品も展示するほか、11月25日には柴田文江(プロダクトデザイナー)、宮前義之(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)、山中俊治が登壇するトーク「美しいモノをつくるということ」、12月3日には臼井二美男(義肢装具士)、高桑早生(パラリンピアン、研究者)、勅使川原みなみ(モデル)、山中俊治が登壇するトーク「義足をデザインする」も開催される。
実際に稼働するプロダクトモデルをじかに見れるだけでなく、会期中には山中直筆原画の展示替えも頻繁に行われるようだ。詳細は展覧会SNSなどを参照してほしい。
山中研究室最終展示「未来の原画」展
会場:東京大学駒場リサーチキャンパス S棟
会期:11月17日~12月4日
開館時間:15:00~19:00(土日祝は11:00~19:00)
休館日:月
予約:土日祝のみ要予約。受付はこちら