
会場風景
東京ミッドタウン日比谷の6階に、新たに「東京ミッドタウン日比谷ホール」がオープンした。そのこけら落とし第一弾として迎えたのが、現代美術家・平子雄一の大規模個展「HUMAN AND NATURE」である。会期は9月5日から10月18日まで。企画監修を担当したのは秋元雄史(GO FOR KOGEIアーティスティックディレクター)。
1982年岡山県生まれの平子は、植物の頭部を持つ人物像を代表的なモチーフに、絵画、彫刻、インスタレーションと幅広い媒体で人間と自然の関係を問い続けてきた作家だ。故郷・岡山で開催された「IDEAL LANDSCAPE」(奈義町現代美術館、2024)、「瀬戸芸美術館連携プロジェクト 平子雄一展 ORIGIN」(岡山県立美術館、2025)に続き、本展もまた新たな展開を示す機会となった。

会場となる東京ミッドタウン日比谷は、大都市の営みのすぐ隣に自然豊かな日比谷公園を抱える立地にある。平子自身、この街を歩くなかで人の密度と自然の密度がともに高い場所だと感じたといい、その特殊な条件を手がかりに今回の展示に臨んだ。
もっとも、会場そのものは美術館ではなく、オフィスも入る商業施設である。展示空間としての設計を前提としない場所に本格的な展覧会を作り込むことには当初から難しさがあったといい、平子は没入できる空間の作り方を検討した末、壁を新たに立てて会場そのものを構築するという方法にたどり着いた。そうして生まれた会場には、ゆるやかな曲線を描く木材の構造体のなかに、最大およそ3.5mにおよぶモビール群が立ち現れるなど、異なる素材を用いた作品が、これまでにないスケールのコントラストを浮かび上がらせている。その内容を詳しく見ていこう。
