公開日:2025年11月19日

「竹久夢二 時代を創る表現者」が東京国立近代美術館で2026年開催。最高傑作ともされる《黒船屋》が出品

《黒船屋》が展覧会に出品されるのは約40年ぶり。全国に巡回も

竹久夢二 黒船屋 1919(大正8) 竹久夢二伊香保記念館

全国各地の夢二コレクションが集結。日本画、油彩画、デザインなど多岐にわたる仕事に迫る

東京国立近代美術館で、2026年10月23日から2027年1月11日まで、竹久夢二の展覧会「竹久夢二 時代を創る表現者」が開催される。

明治の終わりから昭和のはじめにかけて、画家、詩人、ジャーナリスト、デザイナー、イラストレーターなど、様々な顔を持つ表現者として活躍した竹久夢二(1884〜1934)。「夢二式」と呼ばれた女性像をはじめ、大正ロマンを象徴する人物として知られ、その作品は雑誌や絵葉書、展覧会などを通して広く大衆に流布した。また、日用品のデザイン、子供のための本や雑誌作り、流行歌『宵待草』の作詞、関東大震災を記録したスケッチと言葉などを通して、同時代、そして後世に大きな影響を与えた。

本展では、竹久夢二伊香保記念館の協力のもと、夢二の最高傑作とも称される《黒船屋》が約40年ぶりに展覧会に出品される。作家の円熟期の作品である本作には、黒猫を抱き、「黒船屋」と書かれた木箱に腰かけた黄八丈の着物姿の女性が、おおらかな曲線と鮮やかな色彩で描かれている。日本の浮世絵と西洋の近代絵画のエッセンスを融合させることで、抒情的でありながら、斬新で際立ったイメージを生み出されている。

竹久夢二 黒船屋 1919(大正8) 竹久夢二伊香保記念館

展覧会ではさらに、日本画や油彩画、スケッチ、多種多様なデザイン、スクラップブックなど、全国各地の夢二コレクションの作品が一堂に集結。幅広い作品を通して、夢二の多岐にわたる仕事に迫る。

なお東京国立近代美術館での会期終了後は、静岡市美術館(2027年1月23日〜3月28日)、大阪中之島美術館(2028年予定)ほかを巡回する予定だ。

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