公開日:2014年3月4日

第17回岡本太郎賞決定! 受賞作家・キュンチョメから受賞後初コメント

【Art Beat News】岡本太郎の遺志を引き継ぐ「 #TARO賞 」展 開催

岡本太郎現代芸術賞(通称、TARO賞)の入選受賞作品を公開する、「第17回岡本太郎現代芸術賞展」が、2月8日から4月6日まで川崎市岡本太郎美術館で開催される。

最高賞である「岡本太郎賞」を受賞したのは、キュンチョメの作品『まっかにながれる』。審査員を務めた美術批評家の椹木野衣氏は、作品から感じられる「緊迫と決断は『迷ったら危険な道を行け!』と鼓舞した太郎の名にふさわしい」と評する。

岡本太郎賞 キュンチョメ《まっかにながれる》 米1t、石膏、立ち入り禁止テープ、映像 500×500×500cm
岡本太郎賞 キュンチョメ《まっかにながれる》 米1t、石膏、立ち入り禁止テープ、映像 500×500×500cm

「岡本敏子賞」を受賞したのは、サエボーグ氏の作品『Slaughterhouse-9』。審査員を務めたワタリウム美術館キュレーターの和多利浩一氏は、作品について「テーマ自体は、太古の時代からの殺生だが、そのヴィジュアル表現はとても現代的に仕上がっている点を評価した」とコメントした。

岡本敏子賞 サエボーグ《Slaughterhouse-9》(撮影:兵頭喜貴) 素材 ラテックス 300×500×500cm
岡本敏子賞 サエボーグ《Slaughterhouse-9》(撮影:兵頭喜貴) 素材 ラテックス 300×500×500cm

岡本太郎賞 キュンチョメ《まっかにながれる》
岡本太郎賞 キュンチョメ《まっかにながれる》

展示では応募された780点の作品の中から選ばれた、6名(組)の受賞作品、14名(組)の入選作品が公開される。なお期間中、常設展「岡本太郎とオリンピック」展も開催されている。

——作家・キュンチョメからのコメント

こんにちはキュンチョメです。
キュンキュンしてチョメチョメしたいから、キュンチョメです。
僕らは年末に、国によって立ち入り禁止区域にされてしまった場所に除夜の鐘を鳴らしにいきました。三年のあいだ鳴る事の無かった、鳴らす事の出来なかった鐘をどうしても鳴らしたかったのです。
太郎賞ではその映像をベースに展示を構成しました。

展示では、お米をある方法で使用しています。それは”震災”というよりも”日本そのもの”の象徴として展示空間になくてはならないものだったのですが、同時に残酷さや嫌悪感をも与えかねないものでもありました。だから「賞なんかを気にせず、やるべきことをやるんだ」と覚悟を決めていました。昨日の自分は蹴り飛ばせという太郎の言葉の通り、新たな気分で明日の事を考えていたまさにその時、大賞受賞の一報をいただき「太郎賞はマジでガチで太郎の意志を継承している!」と思いました。

そんなわけで、熱量だけで突っ走るキュンチョメを見て「俺にも出来るんじゃね!?」と思った人達がどんどん欲望やら執念やら念やらを解放し始めたら、来年の太郎賞は、というか日本の芸術そのものがマジでもっと面白くなると思います。楽しみです。

最後に、この展示のステイトメントの最後一行を引用します。
「もうなにかに遠慮するのなんてゴメンなんだ」

ぜひ、お越し下さい。
立ち入り禁止の、その先へ。

展示作品「まっかにながれる」のステイトメント全文はキュンチョメWEBに載せてます

■関連リンク
第17回岡本太郎現代芸術賞展
キュンチョメWEB

執筆:岡徳之(Noriyuki Oka Tokyo)

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