六本木に新たなアートの拠点:ANB Tokyoオープニング展に26組のアーティストが集まる

2020年、六本木に新たなアートコンプレックスが誕生「ANB Tokyo」が誕生

poster for Encounters

「ENCOUNTERS」

六本木、乃木坂エリアにある
ANB Tokyoにて
11日後終了

In Art Beat News Main Article 2 by Art Beat News 2020-10-13

2020年、六本木に新たなアートコンプレックス「ANB Tokyo」が誕生した。7階建の同コンプレックスには、ギャラリーだけではなくアーティストのためのスタジオやコミュニティラウンジも共存。既存の概念とは異なる何かを示す「Alternative」と、多様なものを受け入れる「Box」、そしてこの箱の中に、無数の物語「Narrative」が詰まっていくことを期待し、それぞれの頭文字から「ANB Tokyo」と名付けられている。

そして、同スペースの4フロアを使ったオープニング展「ENCOUNTERS」が10月11日に開幕した。

本展は、予期せぬ「遭遇」から生まれる新しい創造をテーマに、若手キュレーターたちが中心となって4つの企画を構成。参加作家は石毛健太、片山高志、喜多村みか、顧剣亨、郷治竜之介、小林健太、小山泰介、スクリプカリウ落合安奈、谷口暁彦、田村友一郎、丹原健翔、築山礁太、長島有里枝、永田康祐、NAZE、林千歩、Houxo Que、細倉真弓、マーサ・ナカムラ、松田将英、三野新、MES、山形一生、やんツー、吉田志穂、渡邉庸平と26組にのぼる。

下階から上へ、それぞれのフロアを見ていこう。

まず、3階へ足を踏み入れるとそこはクラブのような空間。顔認識体温測定システムを彷彿させるHouxo Queが観客を迎えるこのフロアは、西田編集長キュレーションの「NIGHTLIFE」。ストリートやクラブカルチャーをバックグラウンドに持つHouxo QueとMESが展示空間をパーティに見立てている。

同所に並ぶのは、Houxo Queによるディスプレイを用いた絵画、MESによる祭壇を想起させるDJブースなど。床に置かれたオブジェは1987年に六本木のディスコで起きた死亡事故をモチーフとしたもので、床の足跡は展示のために行われたパーティの痕跡でもある。六本木という土地が持つ活気と禍々しさが充満する、本展の中でも異色のフロアになっている。

続く4階は、吉田山と布施琳太郎がキュレーションする「楕円のつくり方」。こちらを鋭く見つめる長島有里枝の大判ポートレイトが印象的なこの企画は「路上」と「家族」を起点に、やんツー、NAZE、スクリプカリウ落合安奈、マーサ・ナカムラが作品を発表している。

なぜ「“楕円”のつくり方」か。それは楕円には中心が2つあるという理由に由来しており、1人のキュレーター(中心)が権威的に展覧会を構成していく形式に代わるようなポジティブな試みでもある。

6階は、石毛健太、丹原健翔をキュレーターに迎えた「And yet we continue to breathe.」。本展では、コンクリートや梁がむき出しになっている6階に六本木に、自生する植物を持ち込むことで都市の表皮を反転させ、都市に群生する人間を重ね合わせる。参加するのは、片山高志、林千歩、郷治竜之介、喜多村みか、山形一生。

企画者の石毛と丹原も、六本木の土を積んだ作品《盛土(六本木)》(2020)を発表している。

作品との対話を通じて都市と社会の現在と未来を探求するプロジェクト「TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH(TPR)」。本プロジェクトに参加するメンバーの本質を示すような作品が集まるのが、7階の「SOURCE/ADIT:Studio TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH」だ。

参加するのは谷口暁彦、渡邉庸平、吉田志保、小林健太、永田康祐、小山泰介、細倉真弓、三野新、田村友一郎、築山礁太で、出品作品もフロア最多の54点におよぶ。

TPRの活動の源泉(Source)となるのは、上に挙げた写真家、現代美術家、建築家、メディアアーティスト、音楽家といった多様な表現者たちの視点。このフロアでは、それぞれの考え方や方法論が色濃く現れている作品を通して新たな入り口(ADIT)を提示し、アーティストが協働しながら模索していく場を立ち上げるというものだ。

都市、ストリート、エコロジー、パーティーといった異なるテーマのもと26組のアーティストが集結する本展は、テーマパークさながら各フロアでまったく異なる趣を見せる。東京のアートの現在を確認し、これからを予測するうえでも、見ておきたい展覧会のひとつと言えるだろう。

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