建築家の藤本壮介が設計:前橋にアートデスティネーション「白井屋ホテル」がオープン

12月12日、群馬県前橋市にアートホテル「白井屋ホテル」が開業。国内外のアート作品を展示

In Art Beat News by Art Beat News 2020-11-18

群馬県前橋市に、暮らす人と訪れる人が集い、交流するリビングルームのような新たなアートと食文化の発信の場(デスティネーション)「白井屋ホテル」が誕生する。開業日は2020年12月12日。宿泊・料飲予約受付は11月4日から始まっている。全体の設計を建築家の藤本壮介が手がけ、レアンドロ・エルリッヒ、ローレンス・ウィナー、杉本博司、宮島達男や鈴木ヒラクなど、国際的に活躍するアーティストの作品が敷地内・各客室に展示される。

森鴎外、乃木希典などが愛した歴史ある旅館が再生

明治初期に絹産業でイノベーションを興し日本近代化の先駆けとなった前橋で、300年以上もの歴史を誇り、森鴎外、乃木希典などの多くの芸術家や著名人に愛された旧宮内庁御用達「白井屋旅館」。中心市街地の衰退とともに2008年に廃業し取り壊しの危機にあったが、2014年に前橋市の活性化活動「前橋モデル」を主導する田中仁財団の活動の一環として、再生プロジェクトがスタート。5年の歳月をかけて大改修と新棟建設が行なわれ、今年12月に「白井屋ホテル/SHIROIYA HOTEL」として新たに開業するに至った。
2016年8月に前橋市がビジョン「めぶく。」を発表したのを契機に、かつて衰退していた中心市街地「まちなか」では少しずつ魅力的な店やコミュニティスペースなどが生まれ、中核地方都市の活性化モデルとして「前橋モデル」が注目を集めている。白井屋ホテルはその「まちなか」の中心に位置しながら、赤城山や榛名山へも車で30分から1時間程度でアクセスできる。

全体のデザインと設計は建築家の藤本壮介

建築、内装の設計を主導し全体のデザインを手がけたのは、建築家の藤本壮介。老舗旅館の旧白井屋の建物を大胆にリノベーションし、コンクリートの構造を剥き出しにした大胆な吹き抜けが印象的なヘリテージタワーと、利根川の旧河川の地形を活かし、土手をイメージして新築されたグリーンタワーの2棟から構成されている。

館内には国際的なアーティストの作品を展示

敷地内・各客室には独創性のある建築に呼応するように、さまざまなアート作品が展示されている。
ヘリテージタワーの国道50号線側のファサードにはローレンス・ウィナーの作品が配置され、一際目を引く外観となっている。フロントには杉本博司の「海景」、4階までの吹き抜けには、金沢21世紀美術館の常設作品や森美術館の展覧会などでも話題になったレアンドロ・エルリッヒによる幻想的な光を用いた「Lighting Pipes(ライティングパイプ)」をはじめとしたアートがゲストを出迎える。
グリーンタワー頂上の小屋には宮島達男の作品が展示され、宿泊客のみ体感することができる。

多彩なデザイナーやアーティストとコラボレーションした客室

客室は10タイプ、25室。客室料金は30,000円〜、グループの宿泊ゲストのためのコネクティングルームもある。ヘリテージタワー、グリーンタワーにあるすべての客室には、群馬を拠点に活動する作家の作品や世界中から厳選した作品がしつらえられている。
また、ヘリテージタワーには、英国の著名デザイナー・ジャスパー・モリソン、イタリアの建築界の巨匠・ミケーレ・ デ・ルッキ、レアンドロ・エルリッヒ、藤本壮介による4つのスペシャルルームを用意。それぞれの作家が内装設計を一から手がけ、ひとつの作品のような空間が広がる。
その他の客室のデザイン・設計は藤本壮介。ベッドマットレスには国内外のラグジュリーホテルに採用されているサータブランドを、カーテンはテキスタイルデザイナー、コーディネーターとして活躍している安東陽子がデザインし、備品はスタイリストの長山智美が厳選した。

地元の食材を生かした2つのレストランが営業

白井屋ホテルヘリテージタワー1階には、趣向の異なる2つの飲食店が入居する。

「白井屋ホテル」のメインダイニングである「the RESTAURANT」では、上州の食文化と食材を活かした料理が楽しめる。ミシュランガイド東京で2つ星を獲得した青山のフレンチレストラン「フロリレージュ」のオーナーシェフ川手寛康の監修のもと、地元群馬出身の片山ひろが、国内外の名店での2年間に及ぶ研修を経てキッチンに立つ。その日の料理に合わせたドリンクペアリング(ノンアルコールも対応可)も楽しみだ。オープンカウンター席のみのしつらえで、料理とともに職人の技も堪能できる。

オールデイダイニング兼ラウンジの「the LOUNGE」は、地元の食材を活かしながらも「驚きのあるまちのリビング」を目指した。ビーフカレーやサンドイッチなど馴染みのあるメニューが、驚きのあるプレゼンテーションで登場する。また、オーストラリアにおけるスペシャリティコーヒーの草分け的存在「Single O」の豆を採用したコーヒーを群馬県で初めて提供する。

六本木で開業を記念した展覧会を開催

白井屋ホテルの開業を記念し、六本木のフィリップス東京で展覧会「The Place of Encounter 〜白井屋ホテルの8人の作家」が開催される。会期は2020年11月18日(水)〜12月17日(木)。白井屋ホテルに作品を展示する群馬県在住の作家8人が、ひと足先に東京で展覧会を行なう。こちらも併せてチェックしたい。

■展覧会概要
展覧会名:The Place of Encounter 〜白井屋ホテルの8人の作家

参加作家:牛嶋直子/小野田賢三/木暮伸也/鬼頭健吾/竹村京/白川昌生/村田峰紀/八木隆行

会  場:フィリップス東京

住  所:東京都港区六本木 6-6-9 ピラミデビル4階

開場時間:10:00-17:00 土日閉館

観 覧 料:無料

■施設概要
名称:白井屋ホテル
開業日:2020年12月12日

所在地:群馬県前橋市本町2-2-15 TEL:027-231-4618
客室数:25室(ヘリテージタワー:17室 グリーンタワー:8室)
構造:RC構造 4階建(ヘリテージタワー、グリーンタワー共に)
延床面積:2,565.46 m²(ヘリテージタワー:1,744.52 m²、 グリーンタワー:820.94 m²)
施設:
ヘリテージタワー/フロント、「the RESTAURANT」、「the LOUNGE」
グリーンタワー/フィンランドサウナ、ミストサウナ
アクセス:JR前橋駅より徒歩約15分、東京から新幹線利用で約1.5時間、車で約2時間
運営会社:白井屋ホテル株式会社
ウェブサイト:https://www.shiroiya.com/

□主なプロジェクトメンバー
建築・内装設計:藤本壮介

客室デザイン:ミケーレ・デ・ルッキ、ジャスパー・モリソン、レアンドロ・エルリッヒ、藤本壮介

照明デザイン:東海林弘靖(ライトデザイン)

テキスタイル:安東陽子

備品コーデネーション:長山智美

サイネージ・アートディレクション:nanilani

レストラン監修:川手寛康(フロリレージュ)

レストラン設計:甲斐晋介(エスキス)

植栽監修:齊藤太一(Solso)

Art Beat News

Art Beat News. Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。Tokyo Art Beatが紹介する数多くのイベント情報以外にも、独自の視点でピックアップします。 ≫ 他の記事

コメント

Instagram

人気記事

TABlogのそれぞれの記事は著者個人の文責によるものであり、その雇用主、Tokyo Art Beat、NPO法人GADAGOの見解、意向を示すものではありません。

All content on this site is © their respective owner(s).
Tokyo Art Beat (2004 - 2020) - About - Contact - Privacy - Terms of Use