公開日:2025年9月29日

ライカ歴代の銘品が一堂に。「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」が青山のスパイラルガーデンで開催

100年にわたる伝統と文化を多角的にひもとく。植田正治×福山雅治写真展も

「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」イメージ

ライカ初の量産35mm判カメラ誕生から100年

「ライカI」の誕生100周年を記念する展覧会「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」が、東京・青山のスパイラルガーデンで開催される。会期は10月18日から26日まで。

ライカ初の量産35mm判カメラである「ライカI」が、ライプツィヒで開催された春季見本市にて発表されたのは1925年のこと。2025年はその100周年にあたる年だ。小さく扱いやすいサイズが大きな特長だった「ライカI」は写真の世界に大きな変革をもたらした。リアルな世界を写真に収め、決定的瞬間をとらえることが初めて可能になり、写真撮影は日常生活に普及していった。

本展では、ライカと写真文化の魅力にあらためて触れることのできる機会として、ライカの100年にわたる足跡を今日まで振り返る。「ライカI」誕生の礎となった試作機「ウル・ライカ」やプロトタイプ「ライカ0型」をはじめとする歴史を、貴重な資料とともにひもとく。

貴重なアーカイヴアイテムや周年モデルなど歴代の銘品を展示

ライカの貴重なアーカイヴアイテムは本展の見どころのひとつ。エリザベス女王のために製作された「ライカM6」プロトタイプ、アップルでともに製品開発に携わったジョナサン・アイブとマーク・ニューソンが手がけ、世界に1台だけ製作された「LEICA M for (RED)」、1937年5月に火災炎上した飛行船「ヒンデンブルク号」の事故現場から発見された「ライカⅢa」、ピュリツァー賞を受賞した報道写真家・沢田教一が愛用していた「ライカM2」、戦場でフォトグラファーの命を救ったカメラ、さらには貴重な周年モデルの数々や歴代の銘品が一堂に会する予定だ。

「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」ヴィジュアル

また、スパイラルガーデンのアトリウムには、ライカ100年の軌跡をひとつの「渦」として表現した展示空間が登場。夜には、ライカギャラリー・インターナショナル代表兼アートディレクターのカリン・レーン=カウフマンのキュレーションによる100点の写真作品がプロジェクション映像として会場に投影され、サウンドデザイナーの清川進也による、カメラのシャッター音を使ったサウンドインスタレーションも体感することができる。

同じくアトリウムでは、世界的なアーティストやデザイナーとのコラボレーションモデルなどの特別仕様のライカや現行製品のラインナップを展示。「ライカI」誕生100周年を記念して100台限定で作られた特別限定モデル「ライカM11 100 Years of Leica “TOKYO JAPAN”」も紹介される。

植田正治と福山雅治の2人展も

さらに、写真家の植田正治と、植田を“師”と仰ぐ福山雅治の初の2人展「Visual Conversation」や、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」の2011〜24年の受賞者による作品展示も開催。「Visual Conversation」では、ライカよりも大きい中判カメラによる作品が多い植田が「掌上、愛すべき珠玉のようなこのカメラで『美しきカメラにて優れた写真が得られる』という私だけのセオリーを信じながら」と、ライカの愛機でスナップ撮影を楽しみ制作した作品群の一部が紹介される。

植田正治と福山雅治 © Hiroshi Seo
植田正治作品 © Shoji Ueda
福山雅治作品 © Masaharu Fukuyama

また、関連イベントとしてライカギャラリー表参道では、写真会の巨匠エリオット・アーウィットと東京を拠点とするアメリカ人写真家ジョン・サイパルの作品が時を超えて対話を繰り広げる「In Conversation: A Photographic Dialogue Between Elliott Erwitt and John Sypal」が行われる。会期は10月1日〜11月30日。

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