公開日:2024年3月30日

AITのアート講座「TAS」が5月よりスタート。「気候危機」「メンタルヘルス」など、複雑な時代を芸術と考える

1ヶ月間集中して学ぶ対面型「TASラボ」、1レクチャーから参加できるオンライン講座「TASオープン」。ゲストは小説家の小野正嗣、研究者の伊東多佳子、現代魔女・VR/XRアーティストである円香など。

「TAS(TOTAL ART STUDIES)」  メインイメージ

特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/ エイト]が、2024年度の「TAS(TOTAL ART STUDIES)」の申込みを3月29日から開始する。今年は「TASラボ」「TASオープン」の2本立て。気候危機やメンタルヘルスと芸術を考えるアクションを手がかりに開催する。 

代官山AITルームでのレクチャーの様子

2001年より現代アートの教育プログラムを開催し、これまでに延べ2600人以上が受講したAIT。近年は、ソーシャルアクションと芸術を接続するプログラムへと変化。今年は「気候危機」や「ケア」など、今を生きる私たちに重要な課題を芸術の視点から考える機会を提供する。

約1ヶ月間で集中して学ぶ「TASラボ」は、対話を大切にしながら進める対面式講座。2024年は「ラディカルな美術史:エコロジーとケアの新たな物語 ― ターナーからジョーン・ジョナスまで」と題し、「エコロジー」、「ラディカルケア」、「レジスタンス」がキーワードになっている。小説家の小野正嗣、研究者の伊東多佳子、現代魔女・VR/XRアーティストの円香など、個性豊かなゲストとともに、作品も交えながら、気候危機と芸術の関係性、ケアや喜びの場としての美術館など、オルタナティヴな美術史や解釈を通して、私たちが生きる複雑な時代について考える。

展覧会鑑賞風景 (アーティゾン美術館、2023年) Photo by Isamu Sakamoto

1レクチャーから参加できるオンライン入門講座「TASオープン」は、3つのテーマ「キュレーションのビジョン」、「アート・インダストリー」、「アートとケアの実験性」をユニークな角度から深く掘り下げる。海外のアートシーンや最新のアートニュースも取り上げ、急速に変化するアート界の動向を追う。

レクチャーで取り上げる作品のひとつ Hilma af Klint Group IX, SUW No. 12, The Swan No. 12 1915 Public Domain
レクチャーで取り上げる作品のひとつ Paul Klee In Angels Care 1931 Public Domain

「TAS」は、キーワードや専門用語をわかりやすく解説。初めてアートにふれる方でも安心して学ぶことができる。1ヶ月から参加可能な「TASラボ」や、オンラインで参加できる「TASオープン」など、忙しい方にもぴったり。「ディープ・ルッキング(深い観察)」や、ゲストや参加者との交流を通して、これまでにない視点を得ることができる。

4月22日には、Instagram公式アカウントにて、インスタライブを配信。TASプログラム・ディレクターのロジャー・マクドナルドとAITキュレーターの堀内奈穂子が、今年の「TASラボ」のおすすめポイントや、各シリーズのキーワードを紹介する。詳細は公式ウェブサイトをチェックしてほしい。

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