公開日:2026年10月14日

バティックの文様と日本のミニマルな線が融合するピンナップ。インドネシア出身のFerdiによる個展「Neo Pin-Up: Tokyo」が神保町・New Galleryで開催

母国での葛藤を経て日本で生まれた「Neo Pin-Up」シリーズの最新展。会期は10月23日〜11月1日

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葛藤を越えて日本で花開いた「Neo Pin-Up」

東京・神保町のNew Galleryで、インドネシア出身のアーティスト・Ferdi(フェル)による個展「Neo Pin-Up: Tokyo」が10月23日から11月1日まで開催される。

本展でFerdiが発表するのは、日本のミニマルなイラストと、インドネシアの伝統的な染め物であるバティックの緻密な模様を組み合わせた新作。簡潔な線やかたちと豊かな装飾が響き合う画面には、キャラクターの魅力とともにふたつの文化が交わる独自の世界が広がっている。日本と母国の双方に向けられた作家の眼差しを通して、現代の視覚文化におけるピンナップの可能性に触れられる展覧会だ。

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展覧会タイトルにも冠された「Neo Pin-Up」の背景には、作家自身が長く抱えてきた葛藤がある。1990年代のインドネシアでマンガや映画のポスターに親しみ、ピンナップに惹かれたFerdiは、保守的な価値観が根強い母国でこうした妖艶な描写が修正される場面を目にするうちに、好きなジャンルを描くことにためらいを抱えるようになる。一度、ピンナップから距離を置き、シンガポールでデザインを学んだFerdiにとって、転機となったのは2020年の日本留学。日本では世代を問わずピンナップを楽しんでいる様子を見たFerdiは、描くことへの情熱を取り戻す。そして2023年、クラシックな様式を現代的に再解釈するシリーズを始動させた。シリーズに込めた想いについて、作家は次のように語っている。

「私にとって、ピンナップは単に肌を露出したり、あからさまに過激に描いたりすることとはまったくの別物です。このシリーズは、ピンナップアートの本当の魅力は、人の身体が持つしなやかなシルエット、その場に流れる空気感、そして温度や香りまで伝わってくるようなさりげない雰囲気のなかにこそある、という想いのもとに描かれています」