
左:アンリ・マティス イザイア 1938 ピエール&タナ・マティス財団コレクション © Christopher Burke Studios、右:アンリ・マティス 『ステファヌ・マラルメ詩集』より 1932 国立西洋美術館
アンリ・マティスの展覧会「マティス 黒と白の詩学—ピエール&タナ・マティス財団の版画コレクションを中心に」が、2027年3月20日〜7月19日に東京・上野の国立西洋美術館で開催される。
20世紀を代表するフランスの画家、アンリ・マティス(1869〜1954)。フォーヴィスム(野獣派)のリーダー的存在として知られ、鮮烈な色彩と卓越した線描による独自の表現を追求した。その革新的な造形は、近代美術に大きな影響を与え、現代に至るまで多くの人々を魅了し続けている。

マティスは、生涯を通じて版画や挿絵本の制作にも取り組み、木版やモノタイプから、リトグラフ、エッチング、リノカット、アクアティントまで、幅広い技法によって800点以上の版画や多数の挿絵本を残した。マティスにとっては、絵画、素描、彫刻、切り絵、版画はいずれも等しく重要な自己表現の手段であり、ジャンルやメディアを自由に横断しながら様々な試みを続けた。

ニューヨークのピエール&タナ・マティス財団の特別協力のもとで行われる本展では、同財団の版画コレクションを核に、関連する絵画やデッサン類もあわせて展示。初期から晩年までのマティスの版画制作の歩みをたどりながら、その意味と意義を考察する。
マティスは、同時代の多くの芸術家と異なり、版画制作においていくつかの例外を除いて、黒と白の表現に徹した。展覧会では、「黒と白」というテーマのもと、マティスの版画・挿絵本の意義と魅力に新たな光を当てることを目指し、版画とともに絵画や素描を比較展示することで、マティス芸術全体の根幹に関わる線と空間の関係性や色彩に対する考察を掘り下げていく。


あわせて、希少な原版の展示や刷られた紙の種類の比較などを通じ、マティスの版画制作プロセスの直接的な理解も目指す。また、マティス芸術における挿絵本の重要性に注目することも展覧会の特徴のひとつになっている。


本展は、マティスのエッセンスが凝縮された版画と挿絵本の展示から、様々な版画技法で奏でた「黒と白」の多彩な響きと、豊かな創造の世界に触れられる貴重な機会となりそうだ。
「マティス 黒と白の詩学—ピエール&タナ・マティス財団の版画コレクションを中心に」
会期:2027年3月20日〜7月19日
会場:国立西洋美術館
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、3月23日、5月6日 ※ただし、3月22日、3月29日、5月3日、7月19日は開館
主催:国立西洋美術館、読売新聞社
特別協力:ピエール&タナ・マティス財団