最終更新:2021年7月21日

KAWS国内初の大規模個展:「KAWS TOKYO FIRST」が森アーツセンターギャラリーで開催中

アートとデザインの世界を横断し続けるKAWS。作品の変遷と作家の洞察を見る

ポップカルチャーの巨匠KAWSの国内初大規模個展「KAWS TOKYO FIRST」が、10月11日まで森アーツセンターギャラリーで開催中。「スタジオ全体を持ち込む」ことを目指した展示を通じて、作品の変遷と作家の洞察を見ることができる。

会場風景より。目の箇所に×印を施したキャラクターはKAWSの代表スタイルのひとつ

KAWSはニューヨーク・ブルックリンを拠点とするアーティスト。1990年代初頭にグラフィックアーティストとして頭角を表し、以降、絵画、壁画、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、ストリートアート、巨大彫刻などジャンルにとらわれない作品によって、アートとデザインの世界を横断している。

代表的な作品として、ポップカルチャーやそのアニメーション作品からインスパイアされ目の箇所に×印を施した色彩豊かなキャラクターや、バス停の看板に描いた広告などがある。また、ユニクロやディオールといったブランドとのコラボレーションも多く手がけている。

初期作から最新作まで網羅的な展示

KAWS国内初の大型展覧会である本展では、150点以上の作品を展示。コマーシャルアートとファインアート双方の領域を網羅する視覚的アプローチに迫り、制作初期の作品から最新作までの絵画や彫像、プロダクトなどを通して、そのユニークな芸術制作の軌跡に加え、その美術史的意義までをもたどることができる。さらに、発表されている作品のみならず、KAWS自身が保有しているプライベートコレクションも展示されている。

しかしKAWS本人が語るように、単に作品数が多いことが重要なのではなく、それらの作品によってスタジオ全体を美術館に持ち込むという狙いがある。KAWSという作家としてはもちろん、Brian Donnelly(KAWSの本名)という一人の人物がもつ日常への洞察を知ることができるかもしれない。

会場風景より。ドローイングなどさまざまな作品が並ぶ
会場風景より。KAWSを象徴するキャラクター「COMPANION」たち

体験型のAR作品

絵画や彫刻といったフィジカルな作品展示だけでなく、AR(拡張現実)によって作品をスマートフォンを通して見る体験や、私たち自身の姿や書いた絵が作品として使われるようなインタラクティブな体験ができる展示もある。

スマートフォンのスクリーン上に宙を浮く「COMPANION」が現れる

上の写真はその一例だ。白い台だけが置かれた展示空間の前でスマートフォンアプリAcute Artを開いた状態でスマートフォンをかざせば、上の写真のように宙に浮かぶキャラクターが現れる。さらに、写真に映る自分の顔がキャラクターに変身する「KAWS:PLAYTIME」など、大人はもちろん子どもたちも飽きることなく楽しむことができるような作品が数多く並んでいる。

会場風景より。ブース内で一緒にきた友人とインタラクティブな体験を得られる

日本文化との関わり

1997年に東京を訪れた際、東京のサブカルチャーにふれストリートアートのプロジェクトにも携わり、その後も公私問わず何度も訪れるなど、日本との関わりも強いKAWS。本展「KAWS TOKYO FIRST」は、2001年に渋谷パルコで開催された日本では初の個展と同じタイトルが冠されており、20年経った今、日本で「原点回帰」をするという想いが込められている。

会場風景より、KAWS《WHAT PARTY》(2020)

作品それぞれではなくスタジオ全体を持ち込み、個人的なスペースや洞察を来場者と共有することを目指したKAWS。「アートとはオープンな対話であり、それによってエコシステムを形成できる」と語る開かれた姿勢を垣間見るだろう。

会場風景より

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浅見悠吾(編集部インターン)

浅見悠吾(編集部インターン)

1999年千葉県生まれ。2021年6月からTokyo Art Beat エディターインターン。現代美術を中心に勉強中。現在、東京工業大学大学院在籍。

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