
会場風景より、手前3体はミレーナ・カノネロによる映画『マリー・アントワネット』(ソフィア・コッポラ監督、2006)の衣装
衣装道楽で知られ、フランス革命のなかで処刑された王妃マリー・アントワネット(1755〜1793)は、歴史上もっともファッショナブルな王妃とされる。その美意識と後世に与えた影響に光を当てる「マリー・アントワネット・スタイル」展が横浜市の横浜美術館で開幕した。会期は8月1日~11月23日。
本展は、英国立ミュージアムであるロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画した世界巡回展。国内での開催は横浜のみとなる。企画・監修はV&Aシニア・キュレーターのサラ・グラント、担当は横浜美術館主任学芸員の長谷川珠緒。

オーストリア皇女に生まれたマリー・アントワネットは、14歳でのちにルイ16世となるフランスの王太子と結婚し、18歳で王妃に。絢爛豪華なヴェルサイユ宮殿を住まいとし独自の趣向の装いとライフスタイルを展開して、国内外の流行に大きな影響を与えた。だが、贅沢な暮らしぶりは生活苦に喘ぐ国民の怨嗟の対象になり、外国人の出自は反体制派の標的となった。フランス革命勃発後は王政廃止を経て、国家反逆などの罪に問われ37歳で断頭台の露と消えた。波乱の生涯は多くの文学や美術作品、映画、舞台のテーマとなり、日本では『ベルサイユのばら』(池田理代子作)をはじめマンガ・アニメ作品でもおなじみだ。

本展は、今年3月までV&Aで行われた展覧会の内容を再編し、マリー・アントワネットゆかりの品々から同時代のドレス、宝飾品、家具、現代のハイファッションまで約200点を紹介(一部展示替えあり)。展示にはアントワネット旧蔵の真珠のネックレスなど日本独自の出品作も含まれる。記者内覧会の会見に登壇したグラントは、次のように話した。
「マリー・アントワネットは、ファッションと目新しいものを何よりも愛し、そのことがフランスの高級品製造業を最高峰へと導き、のちのファッション産業の萌芽につながった。本展は、アントワネットが打ち立てたスタイル(様式)の様々な要素に着目し、本格的に検証を試みる初めての展覧会となる。服飾やインテリアの革新に彼女が果たした役割と、いまなお私たちを惹きつける類まれな個性に注目してほしい」
