公開日:2024年2月13日

大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO=モコ)でリニューアルオープン記念特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」が、4月12日から開催

約380件の珠玉の東洋陶磁コレクション。約2年間の改修工事を終えた、「シン・東洋陶磁」を体感しよう

大阪・中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO=モコ)が、約2年間の改装工事を経て、装い新たにリニューアルオープン。その記念特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」が、4月12日から開催される。タイトルの「シン」には、「新」たなミュージアムへと歩み始めること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験を、という3つの願いが込められている。

粉彩花文鼻煙壺 清末-民国 19〜20世紀 高7.1cm、幅4.2cm 大阪市立東洋陶磁美術館蔵(沖正一郎氏寄贈)

主な出展作品には、MOCOが世界に誇る「安宅コレクション」の2大国宝が登場。「油滴天目茶碗」は、宋時代に流行した喫茶用の黒釉茶碗の最高級品で、日本では「油滴」の名で知られ、室町時代以来高く評価されてきた作品だ。いっぽう「飛青磁花生」は、江戸時代の大坂の豪商・鴻池家に伝来し「飛青磁」の名で愛玩された、色形柄とまさに「完璧」な作品だ。

粉青粉引簠 朝鮮時代 15世紀 高13.6cm、幅22.0×31.0cm 大阪市立東洋陶磁美術館蔵(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘
青花辰砂蓮花文壺 朝鮮時代 18世紀後半 高44.6cm、径34.2cm 大阪市立東洋陶磁美術館蔵(安宅英一氏寄贈) 写真:六田知弘

ほかにも、李秉昌(イ・ビョンチャン)博士の寄贈による「李秉昌コレクション」を中心としたMOCO所蔵の珠玉の東洋陶磁コレクションなど約380件(国宝2件、重要文化財13件含む)が、装い新たに展示される。

青磁鉄地象嵌詩銘瓶 高麗時代 13世紀 高30.0cm、径13.4cm 大阪市立東洋陶磁美術館蔵(李秉昌博士寄贈) 写真:六田知弘
黒釉白斑水注 唐時代 8-9世紀 魯山段店窯 高25.7cm、幅19.8×16.3cm 大阪市立東洋陶磁美術館蔵(李秉昌博士寄贈) 写真:六田知弘
加彩婦女俑 唐時代 8世紀 高49.0cm、幅20.3cm 大阪市立東洋陶磁美術館蔵(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘

もちろん、改修工事を経て生まれ変わった展示空間にも注目したい。

人々に開かれた美術館でありたいという開館以来の願いを反映し、ガラス張りの開放的なつくりとなった新設エントランスホールや自然光の下で作品を鑑賞できる世界初の自然採光展示室、高精細3DCGで再現した国宝「油滴天目茶碗」を360度好きな角度から鑑賞できる体験型デジタルコンテンツなど、古陶磁の魅力を再発見できるような仕組みが盛りだくさんだ。

MOCOの原点であり続ける、珠玉のコレクションの新たな魅力と価値に出会える、「シン・東洋陶磁」をぜひ体感したい。

鈴木治 馬 1926-2001  1982 高59.0cm、幅65.0×19.0cm

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